証券会社の営業マンの仕事内容・やりがいのまとめ

証券会社の営業マンの仕事内容・やりがい 証券営業で生き残る人は「今月の手数料」より「顧客の信頼残高」を

ここでは証券会社の営業マンの仕事内容・やりがい・求人についてまとめています。ブラックな部分もフォーカスされやすい証券会社の営業ですが、辛いことが大きい分、やりがいも大きいのです。仕事内容・やりがい・辛いこと・求人を紹介しています。

証券会社の営業とは

株の売買の際に窓口になるのが証券会社です。証券会社の営業マンは、飛び込みが辛い?みんなすぐやめる?給料が高い?成長できる?体育会系が多い?と様々なイメージを持たれています。実際のところ証券会社の営業はどんなことをしているのでしょうか。仕事内容・やりがい・つらいこと、営業で成功するコツ、向いている人について解説しました。

証券会社の営業マンの仕事内容

証券会社の営業には大きく2つあります。

リテール営業

特に3年目未満の新人・若手が担当することが多い業務がリテール営業です。リテール営業とは、中小企業や個人を顧客とする小口の営業です。リテール部門にはこれまでに取引のない新規が多く、また。特に新人は担当顧客ゼロで始まるため、電話・飛び込み(アポなし訪問)・ビラ配布でまず顧客に話を聞いてもらうことから始まります。

そのため顧客には金融・証券の関心が低いことが多く、契約どころか話さえ聞いてもらえず門前払いになることも多い為、新人営業マンにとっては大きな試練になることが多いようです。企業によっては電話を日に数百件かけることもざらな場合もあるようです。

アポイントが取れると、自社の扱う金融商品の案内を進めます。金融商品は基本的には誰が営業担当であっても中身は変わりません(場合によっては他の会社でも同じもの売っていることもあります)。そのため、顧客が誰から商品を買おうと変わりません。そのため、自分から買ってもらえるように顧客と完成性を築くことが重要になります。

日々の訪問や、連絡、お土産作戦、など営業マンによって色々な手法があるようです。リテールは取り扱う金額は小さいですが、顧客が多く多種多用な要望に応える必要があるのです。

ホールセール営業

ホールセールはもともと卸売りの意味であり、リテール営業の逆、つまり大企業や機関投資家、公共機関などを顧客とする大口の営業です。顧客が大口な為、リテール営業で扱う商品に比べホールセールではより多くの商品を扱うようになるようです。株式や債券の引き受け、資金調達や運用、M&Aの仲介などのサポートも必要になり、リテールに比べて取引規模はかなり大きくなります。

ホールセール営業への憧れ

証券会社のイメージとして先行するスケールの大きな仕事は、主にホールセール営業の仕事であることがほとんどです。その為、特に新卒の若い社員たちや、就活生はホールセール部門に入りたい人が多いようですが、特に国内の証券会社に置いてはホールセール営業の部門にいきなり若手が配属されることは少なく、ほとんどがリテール営業で良い成績を上げている人が引き抜かれるという流れになっているようです。その為、どうしてもホールセールで扱うような規模の大きな仕事をしたい、という場合は、国内ではリテール営業を直接行っていない外資の投資銀行などを選択する人もいるようです。

証券会社の営業マンのやりがい

リテール営業にしろホールセール営業にしろ、顧客に金融商品を販売して課題を解決するのが証券営業マンの仕事です。どのような部分に日々のやりがいを感じるのでしょうか?日々の営業の過程で得られるやりがい、結果として得られるやりがいに分けてお伝えします。

日々の営業の過程で得られるやりがい

顧客から頼りにされる

証券会社における営業とは、間違いなく業界のスペシャリストです。金融商品は相場など外的環境に左右されることが前提ではあるものの、だからこそ顧客はスペシャリストに頼りたいのです。(後述しますが)証券の営業マンには営業の合間を縫って業界について様々な知識を得ていることが多く、彼らは顧客から相談されたり頼りにされることで大きなやりがいを感じるのです。

※著者の体験

「金融商品はどの営業が売っても中身は同じ。だからこそスペシャリストとして頼られるかが勝負」——この“商品が横並びだからこそ人で選ばれる”構造は、私が広告営業をやっていた頃の実感とぴったり重なります。

私が扱っていた広告商品も、正直どの競合と比べても大きな差はありませんでした。同じような媒体、似た価格。商品そのものの魅力で差がつかない世界です。若手の頃はそこに気づかず、商品説明で勝負しようとして値引き合戦に沈んでいました。

変わったのは、「この商品をどう売るか」ではなく「この顧客の採用課題について、業界でいちばん詳しい相談相手になる」ことに軸足を移してからでした。市場全体の相場観、他社がどう動いているか、この職種はいつ動くと採りやすいか——商品の外側の知識を積んで、顧客が「まず金田さんに聞こう」と思ってくれる状態を作る。商品が誰から買っても同じなら、差がつくのは“誰から買うか”だけ。証券営業がスペシャリストとして頼られることで選ばれるのと同じで、商品力で差が出ない領域ほど、営業個人の知識と信頼が武器になる、と実感しました。

様々な顧客との付き合いで大きな成長が得られる

特にリテール営業の営業マンが日々接している顧客の多くは投資するお金を持っている富裕層です。自分で材を築いた経営者や、旧家の人、企業で努力してお金を稼いだ人、と様々な人がいます。

彼らは総じて営業マンである自分がしたことの無いような様々な経験をしてきています。そのような人たちと付き合う中で、話の内容も、コミュニケーションスキルも、その他全てに置いて自分に求められるレベルは相当に高いものです。

ホールセール営業においても扱う商品の幅が広いですし、案件の難易度がより高く、金融の知識や経済動向のみならず、顧客の業界や時には世界状勢についての深い理解も必要です。

必要な知識を身につけ、顧客たちからの信頼を得るために日々の努力を積み重ねることで自然と成長できるのです。

金額規模の大きな仕事

こちらは特にホールセール営業に当てはまりやすいですが、一人の営業マンが動かす金額がとても大きいことも証券営業としてのやりがいの一つです。大手証券会社で大きな案件を扱うような場合、数千万円・数億円と言う規模になることもあるようで、そのような契約を結ぶ時の達成感がとても大きなもののようです。

日々の営業の成果として得られるやりがい

成果が出た時の大きな喜び

証券会社の営業は他の営業と違わず、営業に大きなノルマが課されています。このノルマを達成することは決して楽なことではありません。また、リテール営業での新規顧客への飛び込みや電話営業は、まず顧客の金融商品への興味が低いため、前述のように話すら聞いてもらえず門前払いということも多いです。

日々変化する経済状況を把握し、業界のスペシャリストとして知識を絶えず学ぶことも求められます。そのような難しい状況での営業が成功し、顧客と契約が結べた時の喜びは想像以上に大きなもののようです。

得られる評価・高い報酬

証券会社に就職したい人の多くが期待しているであろう給与や評価も大きなやりがいの一つです。証券会社に置いては数字が最もものを言い、成績が評価に直結する評価体系になっています。

そして、評価に対しても比較的大きなインセンティブがあり、成績を出せばそれだけ高い給与を得ることができます。大手であれば若いうちから年収1000万円を超えることもあります

証券会社の営業マンの辛いポイント

新規営業で相手にされない

特にリテールの営業では、新規顧客の開拓が重要と前述しました。商品案内をするにはまずアポを取らなければいけませんが、このアポを取ることの難易度がかなり高いのです。そもそも興味関心が薄い人に興味を持ってもらわなければならないので、多くの場合で門前払いされることが毎日何十件と続くのです。

中には証券会社に否定的な人や警戒心を抱いている人もおり、そのような人たちを相手に毎日電話や飛び込みをするのは精神的な疲労感を感じることも多いようです。断られることが普通、話を来てもらえたらラッキーだ、とある程度割り切る気持ちが必要なようです。

※著者の体験

「断られることが普通、話を聞いてもらえたらラッキー、と割り切る」——これは、私が新卒〜若手で飛び込み営業をしていた頃、体で覚えたことです。

大手の人材情報系企業で式場やホテルへの飛び込み・提案営業をしていた頃、門前払いは日常でした。1日◯十件回って、まともに話を聞いてもらえるのは数件。最初は断られるたびに凹んでいましたが、あるとき「これは自分が否定されているんじゃなくて、タイミングと確率の問題だ」と捉え方を変えてから、精神的にずいぶん楽になりました。

ただ、割り切るだけでは数字は伸びませんでした。効いたのは、断られた一件ごとに「なぜダメだったか・次はどう変えるか」を一行だけメモに残す習慣です。飛び込みという逃げ場のない現場で、事実を起点に構造化して次の行動に変える、というループを回した。すると、門前払いの山の中から「この業種・この時間帯・この切り出し方だと聞いてもらえる」というパターンが見えてきた。断られることに慣れるだけでなく、断られた経験を資産に変える——この習慣が、後年の営業企画や改善の仕事でそのまま効きました。

経済動向はもちろんそれ以外も常に勉強が必要

前述したように、自社の商品知識のみならず常に経済動向や世界状勢について最新の情報を知っておく必要があります。また、リテール営業で富裕層の顧客を相手にする際は、一般的な教養も身につけていなければなりません。そうすると業務時間内では知識の獲得が足りず、業務時間外や休日などのプライベートな時間も情報収集に費やさざるを得ないと言うこともあります。自らが成長できることとこのことは表裏一体のことなのです。

業務時間自体も過去は長時間労働だと言われていた証券会社ですが、最近は労働環境の改善が叫ばれている影響もあり早い時間の退社が促される会社も増えてきているようです。

毎日高いノルマを達成しなければならない

どんな会社も営業にはノルマ・目標が課されています。月ごとか週ごとか、部署ごとか個人ごとか、は会社や組織によって異なりますが、証券会社はほとんどの場合、日ごと、個人ごとに、かつ高いノルマがあります。会社によっては毎朝の朝礼で宣言すると言うところもあります。毎日毎日高いノルマの達成について考えることのプレッシャーはかなり大きいもののようです。

また、このノルマについて達成できなければ上司からかなり怒られる(ツメられる)というのも証券会社の辛い面として取り上げられることが多いです。朝から晩まで「今日はいくら達成するのか?」「なぜ契約が取れないのか?」と怒られ、時には机を蹴られる・・・ということも過去にはあったようです。

しかし、社会的に企業のコンプライアンス(法令遵守)意識が変わっていることもあり、以前のような一種のパワハラは大幅に減っているようです。

必ずしも顧客を儲けさせられない

自分がどんなに儲かると信じて提案した商品だったとしても経済動向・世界状勢一つで暴落してしまうということも少なくありません。そのような時に受ける精神的なプレッシャー・ストレスは大きなものです。顧客も100%は無いと理解しながらも提案した営業マンに対して叱責してしまうこともあるでしょう。そのような時も、次にどうしたら儲けられるかと言う話をしなければならないのです。

また、営業マンとしてノルマを抱える以上、時には顧客の本当の課題解決にはつながらない商品しかないことや、会社から手数料の高い商品を提案するように言われることもあります。そのような時に感じる顧客への後ろめたさといった良心が痛むような経験をすることもあります。

※著者の体験

「ノルマを抱える以上、時に顧客の本当の課題解決にならない商品や、会社から勧めろと言われる手数料の高い商品を提案し、後ろめたさを感じる」——この葛藤は、業界は違えど、私が転職支援を約5年、約3,000名の面談をやってきて、いちばん鋭く味わったものと同じです。

転職エージェントも、自社の売上(成約手数料)を背負っています。ある営業職の方(仮にBさん)を担当したとき、自社が扱う求人よりも、正直に言えば他社経由や直接応募のほうがBさんのキャリアには合う、と気づいてしまった場面がありました。自社の数字だけ見れば、自社求人を勧めるのが“正解”です。でも当事者意識を突き詰めるほど、「自分がBさんだったらどっちを選んでほしいか」が痛いほど見えてしまう。

結局そのときは正直に伝えました。目先の1件の成約(自社にとっての数十万円)は消えましたが、そのBさんは数年後に別の相談で戻ってきてくれた。顧客の最善と自分の数字がぶつかる、この一番居心地の悪い場所に立ち続けられるか——証券営業が「今月の手数料か、顧客の信頼残高か」で問われるのと、まったく同じ構造だと思います。良心が痛む場面から逃げないことが、長い目で見た信頼の源泉でした。

ノルマ達成できないと給与が減る

良い成績を出せば、大きなインセンティブを得られ高い給与がもらえるということは、良い成績を出せなければそれなりの給与であるということです。給与全体に占めるインセンティブの割合は会社によっても、年次によっても異なるので一概にどれくらいとは言えません。ただ、インセンティブの割合が高ければ高いほど、良い成績であればより高い給与が期待できますが、悪い成績で給与が大幅に下がるということです。

おわりに

証券会社の営業マンの仕事内容ややりがい・辛いことを紹介してきました。専門性が高く、かつ幅広知識が必要な証券会社の営業マンは紹介してきたように辛い面やプレッシャーも大変大きいです。しかしその分、影響範囲や動かす金額、自分の給与も大きく伸ばすチャンスがある職業です。強い意志を持って成し遂げたいものがある人にとっては大変魅力的な仕事なのではないでしょうか。

 

筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

Noteも書いてます

営業を"言語化""構造化"する話を、ゆるめに。

【04】アホほど答えを知りたがるというパワーワード|晴れ時々AI@西新宿

アホほど答えを知りたがるというパワーワード 僕は「具体と抽象」というキーワードを日本で一番使うオトコかもしれない。 「AIを使って商談文字起こしを自動集約するためには、GASが必要」 これを抽象とすると 「Meetの文字起こしがGmailに飛んでくるのを未読のもののみを15分に一回トリガーを動かして、GASでgetFiles()のスクリプトを使って、データ取得する」 これが具体 営業の場面でいうと (抽象) ・ヒアリングは9つのフレームに集約ができる ー因果 ー前後 ー包含 ー並列 ー程度 ー主体 ー判断 ー変化 ー対処 (具体) それってどこでどの程度起きているんです

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

この著者の記事一覧

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です