楽しくてやめられない!営業の「楽しさ」と「やりがい」

楽しくてやめられない!営業の「楽しさ」と「やりがい」

営業マンのやりがいとして代表的な「認められる喜び」「目標の達成」「評価」「自己成長」「ダイナミックさ」「知識・スキル」「人とのつながり」「感謝される」などの項目をパートに分けて解説しました。営業経験のない人も参考にしていただければと思います。一方でこれらを素直に感じることができるかどうかというのは、結局営業マンとしての目標達成をコンスタントにしていけるかどうかという点に大きくかかっていると言っても過言ではありません。

営業マンとしてのやりがいや楽しさ

営業マンとして仕事をしている人は世の中にたくさんいます。法人向けの営業や個人向けの営業。新規開拓中心の営業もあれば決まった顧客を担当するルート営業。有形の商品の営業マンもいれば無形のサービスの営業マンも存在します。もちろんどういった営業をするかによって営業職の楽しさややりがいは異なります。「営業が天職だ」と感じる人達はどのような点において大きなやりがいを感じ、楽しさを見出しているのでしょうか。

承認欲求

営業マンが自分を通してクライアントに商品やサービスを購入してもらった時に感じることが「自分自身を認めてもらった」という点です。もちろんそうは感じない人や、そうではないケースもたくさんあるでしょう。しかし、多くの人が「この人は信頼できるので、この人からモノを買いたい」と思った経験があるはずです。それと同じで、営業マンは商品やサービスをクライアントに販売することで、自分自身を認めてもらったと感じ、承認欲求が満たされることで、営業の楽しさを感じる人はたくさんいます。

またクライアントから「あなただから買いました」と直接言ってもらえるようなケースもあり、クライアント窓口を担当する営業マンとしては、非常にやりがいを感じる一言と言えるでしょう。特に商品やサービスの商品力が弱くて営業環境として厳しい環境であればあるほど、営業マン自身を売り込む機会が多くなり、決して楽ではないが、購入してもらえた時の「自分自身を買ってもらった感」は何にも代えがたいやりがいと言えるでしょう。

目標の達成

ほとんどの営業マンは会社と自分との間で「一定期間における受注目標」という約束を交わしています。給与の対価として企業から求められている販売量が金額で換算されたモノで、「ノルマ(売らなければならない額)」というようなネガティブな表現をされることもあります。ラッキーやアンラッキーなどもありますが、基本的には実力に沿った目標を企業と約束しており、自分自身が設定して追いかけるべき目標を達成したという点は、約束をきちんと果たしたという意味でやりがいに感じる部分でもあります。

営業職に限ったことではありませんが、自分自身の目標をどこに置くのかという点や企業から何を求められているのかという点が明らかになり、それが達成できた時は当然ですがポジティブな感情の割合の方が高くなるはずです。しんどいことがありながらも設定されたハードルをクリアするということにおいて、また数字となって白黒がはっきりしているという意味においても目標を達成した時の充実度を営業職としての「やりがい」や「楽しさ」と感じる人は決して少なくありません。

評価

営業マンの評価については非常に明確です。与えられた目標を達成したかどうかという点で評価されることがほとんどのため、目標そのものに対する不満がないとは言いませんが、難易度がどうあれ達成した時は企業は営業マンに対して一定の評価をするという前提があります。

評価の対価としての報酬例としては、給与やインセンティブなどの金銭的報酬として営業マンに還元されるケースの他にも、社内の表彰制度として褒賞報酬というケースもあります。他にも昇進などの形で営業マンに報酬還元されるケースもあり、どのようなケースにおいても基本的には「勝てば官軍」的側面が大きく、受注内容や達成内容が評価の対象に上がるケースがないとは言いませんが、達成者に対する評価および報酬が用意されているケースが一般的と言えるでしょう。

成長実感

どのような営業マンにも「営業をするのは初めてです」というタイミングが必ず最初にはあります。最初から売れに売れる営業マンがいないとは言えませんが、多くの人が数年営業経験のある先輩の実績にはなかなか追いつけないという方がスタンダードだと言えるでしょう。

最初は「なかなか売れない」から始まるのですが、営業職としての経験を積めば積むほど「なぜ売れないのか」という壁にぶつかり、努力を通じて壁を乗り越えることで「自分の勝ちパターン」を見つけることのできる営業マンが一定割合存在します。非連続な成長をする人もいますし、ジワジワと存在感を放てるようになる営業マンもいます。

彼らは何かしらの気づきや壁に対して、自分なりの努力や創意工夫を講じることで、ハードルをクリアしてきた人たちです。単純にできなかったことができるようになるという「成長実感」が楽しくて、営業としての道を極めたいというモチベーションの人もいます。こうした「営業としての成長」をそのまま「ビジネスマンとしての成長」と置き換えるケースもあるでしょう。様々な点において営業としての成長が営業としてのやりがいや楽しさであると感じることでモチベーションが維持できているという側面もあります。

ダイナミックさ

特に法人営業においては、年間で億を超える取引を担当する営業マンも存在します。当然個人商店レベルでは担当できないような売上規模であっても、商品や担当するクライアント規模によっては一回の取引が1千万を超えることも珍しくはありません。企業間取引においては、そうした大規模な取引が頻繁に行われており、営業マンはその企業間取引の中心に据えられた司令塔の側面があります。

他ではなかなか味わうことのない「取引そのもののダイナミック」さがそのまま営業としてのやりがいと置き換えることができる部分もあります。その取引の周囲には多くの人の生活がかかっていたり、場合によっては社運がかかっていたり、様々な人の生き方や選択肢を変える力を持っているケースもあります。

自分自身の仕事が金額という意味でも、実態という意味でも深く広く影響を持つダイナミックさが一部の営業職には間違いなく存在していて、その一つ一つが自分自身の動き方一つにかかっているという責任感を持った状況下における営業職ならではの楽しさというのは、やったことがない人でも恐らく「楽しそう」と感じる人はたくさんいるのではないでしょうか。

知識・スキル

1万時間の法則という言葉があるように、一つの業界において営業職を数年間続けていれば自ずと業界そのものの仕組みや商品やサービスの知識が身につくようになります。逆に業界やクライアント、商品やサービスについての知識がないからこそ、新卒一年目と先輩営業マンでは売れる額に差が出るとも言えるでしょう。経験年数に正比例して知識やスキルが身につくかというとそうではない部分も少なからずありますが、少なくとも営業マンとしての最初の数年は飛躍的に知識を吸収でき、スキルを身につけることができる期間と言えます。

転職が前提ではありませんが、一定期間同じ業界で営業経験があるということは市場価値という意味でも評価される傾向にあります。また「売る」というスキルについては、同じ業界や同じ企業でなければ通用しないかというと必ずしもそうとは限りません。例えば人材広告の営業だった人が、工場に対する機械の営業マンとなった時に全く「一からのスタート」となるかというと必ずしもそうとは限りません。そうした選択をする営業マンが多いかどうかは別として、同じ法人営業という意味で活用できる知識やスキルはたくさんあります。

新規とルート営業の違いであっても、無形商材と有形商材の違いであっても、営業として生きているからには共通して活用できる知識やスキルは相当あるはずです。そうした業界や商品についての知識や「売る」というどの業界でも求められる普遍的なスキルを自身の身につくという実感に大きなやりがいは存在します。

人とのつながり

特にクライアントとの一期一会の出会いなどを大切にする営業マンもいます。例え取引に繋がらなくとも、人と人との出会いが仕事そのものになっているという点を営業職の大きな魅力として挙げる人もいます。ほとんどのケースが「企業と企業の取引における担当者」の域を超えないものなのかもしれません。しかしその枠組みの中であっても人間対人間としての関係性を構築する必要はありますし、その中での学びや気づきが成長のきっかけになったり、新しい自分との出会いにつながるケースも存在します。

企業によっては転勤や異動などがきっかけで、営業マンの担当変更を意図的に実施するケースもあります。担当した後もクライアントと個人的につながっていたり、場合によってはクライアント先に転職したり、個人的な付き合いをするケースもあります。これらはその人自身がクライアントとどのような付き合いをしていきたいと感じているかに依拠する部分も少なからずありますが、こうした人と人とのつながりが営業としての大きなやりがいに感じる人もたくさんいます。

感謝される

時にはクライアントから、時には社内から感謝されることも営業としての大きなやりがいです。「あなたがあげてくれた売上で組織数字が達成した」と上司から言ってもらえることもあるかもしれません。クライアントから「あなたとの出会いがうちの企業にとって大きなプラスになった」と感謝されることもあると思います。もちろんそこには企業と企業の取引で、自分はその役割を果たしたにすぎないという部分もありつつ、一方で自分だからそこまで言ってもらえるというケースも、長く営業をしていればそういう場面に立ち会えることもあります。

売上を上げて給与をもらえて、さらに人から感謝をされるということに、他では感じることのできないやりがいや楽しさを感じるということもあります。

株式会社イノベーションが実施したPRtimesに掲載されている法人営業マンに関するアンケートでは営業をしていて最も魅力的だと感じることは何ですか。という質問に対して「顧客からの感謝の気持ち」が全体の29.9%の得票率で1位となっております。

営業職を楽しめるかどうかは結果を残せたかどうか

つまるところ、数字としての結果を残すことができるのであれば、先述したようなやりがいを多方面で感じることができます。一方で数字そのもの達成がなかなかできない時には、やりがいがないとは言いませんがそれより先にストレスやプレッシャーを感じてしまう側面があります。

つまり、営業として結果を残せるかどうかということが営業としての仕事を楽しめるかどうかという点に直結していると言っても過言ではありません。逆に数字が残せているのにあまり営業が楽しくないという人もいるにはいますが、数字をあげることのできない人の苦しさ、しんどさと比較すると、それらは取るに足らないでしょう。逆に言うと、営業マンにとってはそれほど数字の持つ重みが大きいと言えるのかもしれません。

「結果が出たら楽しい」の落とし穴——それだと不調期は永遠に楽しめない

営業のやりがいとして語られるもの、つまり承認、目標達成、評価、感謝には、ひとつ共通の盲点があります。どれも「結果が出たあと」に訪れる報酬だ、という点です。裏を返せば、まだ結果の出ていない新人や、数字に苦しんでいる不調期の営業には、これらの楽しさが一向に届かないということになるのではないでしょうか。

営業職の有効求人倍率は2025年3月時点で2.40倍と、全職種平均の1.24倍を大きく上回っており、人はどんどん入ってきます。それでも辞めていく人が後を絶たないのは、「結果が出るまで楽しさが来ない」という構造の中で、序盤に燃料が切れてしまうからではないでしょうか。だとすれば必要なのは、結果が出るのを待つことではありません。結果が出る前に取れる楽しさを、あらかじめ自分で設計しておくことです。

「昨日の自分との差分」を可視化すると、数字が出る前に楽しめる

その鍵になるのが、成長を測るものさしを変えることです。多くの人は、自分の成長を「先輩の実績」や「受注金額」と比べて測ります。しかしそれは、結果が出るまで実感できない、遅れてやってくる指標。代わりに、「昨日の自分との差分」で測ってみてはどうでしょうか。

やり方は単純です。商談のあとに「今日新しくできたこと」「前回から変えたこと」を一行だけ記録します。受注がゼロだった日でも、「最初の一言を変えたら担当者が出てきた」「断られ方が前回より柔らかくなった」といった差分は必ず残るはずです。数字は後から遅れてついてくる結果にすぎませんが、この差分のほうは、その日のうちに手に入ります。これを貯めていくと、まだ数字に表れていない自分の成長曲線が、自分の目にも見えるようになります。努力が報われる面白さは、実は数字そのものよりも、この差分の更新にこそ宿っているのかもしれません。

やりがいは「全部」取りにいかない——自分に効く報酬を一つ決める

もうひとつ、楽しさを安定させるコツがあります。営業のやりがいは何種類もありますが、それを全部まんべんなく味わおうとすると、どれも中途半端になって燃料にならないのではないでしょうか。

人によって、本当に効く報酬は違います。「あなたから買いたい」と言われた瞬間にしびれる人もいれば、社運のかかった大型取引の中心にいることに痺れる人、できなかったことができるようになる成長そのものが好きな人もいるでしょう。一度、これまでで一番うれしかった営業の場面を思い出してみてください。それが、あなたに効く報酬です。感謝が効くなら、もらった言葉を書き留めておく。ダイナミックさが効くなら、迷わず大型案件に手を挙げる。自分の燃料の種類さえ知っていれば、数字が苦しい時期でも、そこから補給できるはずです。

営業の楽しさは、結果が出るのを待って受け取るものではありません。昨日との差分を可視化し、自分に効く報酬を狙って取りにいく。そうやって楽しさを先に確保できる人ほど、結果的に数字も後からついてくる営業になっていくのではないでしょうか。

筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

Noteも書いてます

営業を"言語化""構造化"する話を、ゆるめに

【09】商談カードなるものを発明したら営業が覚醒して商談バブルという営業振り返りツールが爆誕した|晴れ時々AI@西新宿

商談カードなるものを発明したら営業が覚醒して商談バブルという営業振り返りツールが爆誕した 「なんかうまくまとまらないんすよね~この提案書」という30枚に渡るスライドと昼休み明けからずっと格闘していた営業がボヤいた。ランチに買ってきたポテトはしなしなになり、紙のドリンクカップはもう触らなくても湿っていることがわかる。 数枚自作のスライドがある以外は汎用企画書を繋ぎ合わせただけのスライドだった。でも彼は結構売れた。そしてその彼がまとまらないのは「スライド」ではなく「商談そのものの構成イメージ」なんだろうな、と思った。 特にスライドが悪いわけではない、ように思う。もちろん決して良いわけ

 

 

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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