営業のスランプを脱出するための3つの方法

営業のスランプを脱出するための3つの方法

営業でスランプを脱出するための方法としてオススメは1.良い時との違いを知る 2.行動を変える 3.聞く の3つの方法です。営業を続けているとうまくいかない時というのは必ずと言っていいほど出て来ます。そして続きます。自分に原因がある時もそうではない時も、トンネルの出口に向かうことが大切です。

営業のスランプを脱出する方法とは

スランプの根本の問題や原因を知る

営業のスランプを脱出するためにはどんな部分が問題になっているのかを知ることが重要です。スランプになっている原因を知ることによって、脱出するための手がかりにすることが出来ます。上手くいっていた時と、現在の違いを比較しながら何が違うのかということを知る必要があります。

上手くいっていた時にも、スランプになった時にも、必ず「原因」があります。その原因を理解することによって、スランプを脱出して、上手くいっていた時の営業を再び取り戻せる可能性はグッと高くなります。営業をしていく中で、悪い習慣やルーティンが知らないうちに出来てしまっているかもしれません。これはつまり成果が上がりづらい手法を確立してしまっている可能性があるということです。

もしかしたら、クライアントに連絡を入れるタイミングかもしれませんし、資料のスライドの枚数かもしれません。納品部隊との関係性かもしれませんし、クロージングにかける時間かもしれません。どのような部分が、いい時と悪い時で違ったのか、これを知ることがまずは一番大切です

行動を変える

様々なことが原因として複合的に合わさっているということもありますし、単純な不運の連続ということも考えられます。しかし単純にいい時と悪い時と違いがそんなにわからないのだとしたら、難しいことは考えずに色々なことを試しながら、行動を変えていくことも重要です。

些細なことでも構いません。出社時間と退社時間を一時間変えてみるというような、一見関係のないようなことでも構いませんし、クライアントに対する訪問回数を増やしてみるというような地道なことでも構いません。初心に戻るということも一つの方法かもしれません。

いずれの場合にしても、今の自分にとって上手くいきやすい方法を見つけることによって、逆説的にスランプの原因が分かることもあります。例えば普段やっていることをノートなどに書き出し、分かりやすく客観視することでたまたま原因が見つかるかもしれません。何かしら行動に移してみることで現状打破を試みてみるのも一つの手段です。

誰かにスランプについて心当たりがないかを聞く

同僚や上司などの社内の人、場合によってはクライアントなどに「スランプ」であることを告げ、自分が営業として何が出来ていて何が出来ていないのかということを聞いてみるというのも一つの手段です。特に社内の同僚は自分では気付けなかった「変化」についてヒントを持っているかもしれません。クライアントは「当事者」としての何か感じていることを教えてくれるかもしれません。

いずれも自分自身を客観的に捉えることができないような場合には最後の手段として、自分以外の人に頼ってみるというのも一つの手段です。

スランプとは「実力の低下」ではなく「再現性の喪失」

スランプを語るとき、多くの人は「実力が落ちた」「気合いが足りない」という言葉で片づけてしまいます。けれど、長く売れていた人がある時期から急に売れなくなるのは、実力そのものが消えたからではありません。これまで無意識のうちにできていた“勝ちパターン”が、なぜか再現できなくなっている。スランプの正体は、この「再現性の喪失」なのかもしれません

野球の打者を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。スランプの打者は、筋力や反射神経が落ちたわけではなく、フォームのどこかに微細なズレが入り込んでいる。本人は気づいていないけれど、確実に何かが変わっている。営業もまったく同じです。だから、スランプを抜けるために必要なのは、自分を奮い立たせる精神論ではなく、「再現性のどこが壊れたのか」を冷静に突き止める作業ではないでしょうか。先に挙げた「良い時との違いを知る」という第一歩は、まさにここに対応します。問題は、その違いをどう特定するか、です。

「良い時との違い」は、記憶ではなく記録で突き合わせる

ここが、スランプ脱出のいちばんの肝です。良い時と悪い時の違いを“記憶”で比べようとすると、たいてい「あの頃は調子が良かった」「最近はツイていない」という、ぼんやりした印象論で終わってしまいます。印象は、いくらでも自分に都合よく書き換わってしまうものだからです。

必要なのは、事実の突き合わせです。商談の件数、初回接触から受注までにかかった日数、提案前にヒアリングへ割いていた時間、訪問の頻度、誰に何を話していたか。こうした事実を、好調だった時期と今とで横に並べてみてください。すると、「以前より明らかにクロージングを急いでいる」「ヒアリングが浅くなり、提案の前提がズレている」「以前は毎週触れていた相手と、間が空いている」といった具合に、ズレが粒度を持って見えてくるはずです。

多くの営業は、スランプを“気分”で語ります。けれど、自分の商談を事実として振り返れる人だけが、再現性の破れ目を正確に見つけられます。感想ではなく事実を起点に置く。これは、好調なときに身につけておくと、不調のときに最も効いてくる習慣です。可能なら、好調期のうちから自分の商談プロセスを簡単に記録しておくと、いざという時の「比較対象」になるでしょう。

「行動を変える」前に、相関のない努力を疑う

先に触れたとおり、原因が分からないなら行動を変えてみよう、というのは一つの手です。これは正しいのですが、一つだけ重要な但し書きがあります。スランプに陥ると、人は不安から「とにかく量を増やす」方向に走りがちです。訪問件数を倍にする、夜遅くまで残る、電話の数を増やす。けれど、量と成果は、思っているほど比例しません。

実際、コールの量と受注の数を調べてみると、ほとんど相関がない、場合によっては逆相関に近い、というケースすらあります。商談で予定が埋まっている人ほど電話をかける時間がなく、暇な人ほど電話を増やす、という構造が混じるからです。これをスランプ時に取り違えると、「成果と関係のない努力」で消耗し、それでも結果が出ないことで、自分には何をしても無駄だという無力感、いわゆる心理学でいう「学習性無力感」に近づいてしまいます。

だから、行動を変えるなら、闇雲に量を足すのではなく、「どの行動が成果と結びついていたか」を一度見極めてから変えるのが順序でしょう。出社時間を変える、初心に戻って基本動作を一つずつ点検する、といった小さな変更は有効ですが、それも「効いていた行動への回帰」として行えば、ただの気分転換で終わりません。

「聞く」を機能させる——誰に、何を、どう聞くか

三つ目の「誰かに聞く」は、最も効果がある一方で、最も雑に使われがちな方法です。ただ「最近スランプで……」とこぼすだけでは、返ってくるのは「頑張れ」「誰にでもあるよ」といった励ましばかりで、肝心の手がかりは得られません。聞き方には、ちょっとした設計が要るのです。

社内の同僚や上司には、「事実」を聞いてください。自分の商談の進め方が、以前と比べてどう変わって見えるか。第三者の目には、本人が麻痺して気づけなくなった変化が、はっきり映っていることがあります。クライアントには、「当事者の感覚」を聞きます。なぜ最近は決めきれないのか、どこに引っかかっているのか。そして、いちばん貴重なのは、自分の好調期を知っている人に「あの頃と今で、何が違って見えるか」を尋ねてみることかもしれません。

ここで探しているのは、自分では見えない“欠けているもの”です。本来なら反応すべき場面で反応できていなかった、踏み込むべきところで引いていた。こうした「やっていないこと」は、自分の記憶には残りません。やったことは思い出せても、やらなかったことは思い出せないからです。だからこそ、他者の目を借りて、その空白を埋める必要があるのです。

スランプの正体は「コントロールの錯覚が剥がれた状態」かもしれない

もう一段だけ、深いところに踏み込みます。好調なとき、営業は「自分の力で売れている」と感じます。けれど、受注という結果は、自分の実力だけで決まるものではありません。顧客の事情、市況、タイミング、競合の動き。こうした自分ではコントロールできない要素が、たくさん合わさってできています。つまり好調期の成果には、実力に加えて「運の上振れ」が含まれていることも珍しくないのです。

スランプとは、その運が下振れに転じ、これまで感じていた「自分はコントロールできている」という感覚が剥がれ落ちた状態である場合もあります。これを「実力が落ちた」と丸ごと自分の責任にしてしまうと、本来コントロールできない結果に、心ばかりが削られていきます。職場のストレスを研究したカラセックのモデルが示すように、人がもっとも消耗するのは、要求が高いのに自分の裁量が小さい状況です。スランプ期は、まさにこの状態に陥りやすいのではないでしょうか。

だからこそ、評価の軸を「結果」から「行動」に戻すこと。これが、心を守りながら再現性を取り戻すための、ほとんど唯一の足場になります。受注できたかどうかは自分だけでは握れませんが、今日ヒアリングを丁寧にやったか、約束した資料を期日までに出したかは、自分で握れます。コントロールできることに視線を戻すと、削られ続ける回路から降りられるはずです。

まとめ——スランプは「昨日の自分との差分」を取り戻す期間

この記事の結びにもあるとおり、スランプも長い目で見れば一つの実力です。本当にその通りだと思います。スランプは、消し去るべき異常事態ではなく、長い営業人生で誰もが何度か通る、再調整のための期間なのです。

苦しいのは、出口が見えないことです。他人の絶好調や、過去の自分の最高の時期と比べていると、トンネルはいつまでも続くように感じられます。そこで効くのが、比べる相手を変えること。先輩でも、過去の自分でもなく、「昨日の自分」と比べる。昨日から何を一つ変え、その結果、商談の中で何が小さく動いたか。これを毎日記録していくと、受注という結果が戻ってくるよりも先に、回復の兆しが見えてくるはずです。数字は遅れてやってくる結果指標ですが、こうした小さな差分は、その日のうちに手に入る先行指標だからです。

スランプの出口は、気合いで一気にこじ開けるものではありません。商談を事実で振り返り、相関のある行動に絞り込み、他者の目で空白を埋め、コントロールできることに視線を戻す。この地味な作業を、焦らず、しかし止めずに回し続けた人の前に、ある日ふっと現れるのではないでしょうか。そのときには、抜け出し方そのものが、あなたの次の好調を支える新しい再現性になっています。

終わりに

長く営業を続けていると、スランプというのは多くの営業マンに訪れます。自分に原因がある場合もありますしそうじゃない場合もあります。しかしスランプも長い目で見れば一つの実力です。単純に結果が出ない自分の実力が不足していると心を切り替えて、どうすれば改めて実力をつけなおすことができるかという観点で、これらの方法を愚直に実行することでトンネルの出口を目指してみるというのも一つの手段かもしれません。

筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

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店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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