ビジネスにおける「数字に強い人」とは?特徴とスキル!数字に強くなる資格も紹介!!

ビジネスシーンにおいて数字に強い人というのは様々な点で重宝されます。特徴とスキルをまとめてみました。数字に強くなれる資格試験も紹介しています。

ビジネスにおいて「数字に強い」とはどういうことか?

とある大学の会計の授業で教授が会計や簿記の必要性について説明する時に、使用していた例です。例えば下記のような状況に陥った時に、正確に損を認識できる人は「数字が強い」という側面を持っているのかもしれません。

ここにAというお弁当屋さんがあります。このお弁当屋さんは毎日100個のお弁当を作り、いつも10個前後売り残りが必ず発生します。残ったお弁当は廃棄しています。

一つ作るのに200円、売値は500円です。今日、従業員が一つお弁当を落としてしまいました。お弁当を落としてしまったことによる、このお店の損はいくらですか?

A店における損は200円でしょうか?500円でしょうか?それとも差額の300円でしょうか?また下記のような場合はどうでしょう?

ここにBというお弁当屋さんがあります。このお弁当屋さんは毎日100個のお弁当を作り、毎日完売します。

一つ作るのに200円、売値は500円です。今日、従業員が一つお弁当を落としてしまいました。お弁当を落としてしまったことによる、このお店の損はいくらですか?

B店における損は200円でしょうか?500円でしょうか?それとも差額の300円でしょうか?

この二つの問題は、簿記という「学問や資格試験における損」の取り扱いと、実際の「ビジネスにおける損」の取り扱いの違いを、的確に表した問題となっております。

あくまでも「数字に強い」の一つの側面には過ぎませんが、この取引(事象)が企業の数字としてどう影響を与える(損を感覚的に把握できる)のかを理解できるということが、ビジネスにおける「数字が強い」の一つの側面と言えるでしょう。

※上記二問の正解は記事巻末に記載しています。

1.簿記によって高まる「数字力」

ビジネスにおける数字と言えば、真っ先に浮かぶのが「カネ」です。このお金という数字について最も体系的に整理された考え方の一つが「会計」であり「簿記」です。会計や簿記の根底にある考え方の一つに「取引の二面性」と言ったものがあります

あなたは100円のボールペンを購入しレジで支払いを済ませました。

このような単純な取引であっても二面性があります。

  • ボールペンの購入費用として100円の費用が発生した
  • 現金という100円の資産が減少した

という「1.費用の発生」という側面と「2.資産の減少」という二面性です。企業における全ての取引はこの二面性を有しています。どのような複雑な取引であっても全て二面性が存在します。この二面性こそが複式簿記を成立させるための非常に重要な考え方となっています。先ほどのお弁当屋の事例であっても二面性は存在します。

この二面性を繰り返し学ぶことで「企業の数字」というものについてどのような取引が企業の財務諸表にどのような影響を与えるのかという理解を深めることは、地道ながらも正しく「数字に強い」人間を作り出す一つの手段と言えるでしょう。

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2.経営者の数字を見て正確に判断する力

例えば現場の営業マンには「受注目標」という、誰が見てもわかりやすい数字に接する機会があります。営業でなくとも多くの職種の人が何らかの形で数字に関わり、数字が上昇したり下降することに一喜一憂します。

これが立場や役職があがると「数字を追いかける」だけではなく「数字を見て判断をする」ということに業務の割合がシフトしていきます。まさに会議などで承認をする立場の社長は、毎日部下からプレゼンされる数字を見て様々な経営判断をしていると言えます。

この「数字を見て判断をする」が意味することは2つあります。

  • その数字がそもそも正しいのか
  • その数字がビジネスに与える影響は?

数字が強い人というのは突き詰めるとこの2点において能力が高い人を意味します。

その数字がそもそも正しいのか

例えば自社の数字についてどれだけの人が正確な数値を把握しているでしょうか?自分が勤める企業の年間売上や利益の絶対額と前年比、取引社数や従業員数の絶対額と前年比、売上の商品構成のパーセンテージ、これらについて誤差5%程度で正値を答えることができる人がいったいどれだけいるでしょうか?

例えば役職が上がれば上がるほど、これらの数字について毎日毎日、部下から提案を受け経営判断を求められています。当然ですが、毎日色々な数字を見ているので、自社の数字の絶対値を広く正しく知る機会が多いと言えます。

この「数字が正しくない」もしくは「概ね正しいと思われるのでデータの根拠に論点はない」ということを指摘できる力も「数字が強い」人の一つの特徴です

とある会議で経営企画から今期の売上着地に関するインプットを受けました。次の会議では生産性に関する議論を人事とします。売上という絶対額と生産性という指標があれば、人件費や人員数を割り戻すことができます。この連続した会議で得た情報から、経営者は暗算をし、自らが把握している人件費や人員数と大きな誤差がないか、という観点から生産性の正しさを自身で担保するのです。

もし仮に、生産性そのものが間違っていればそのデータの先にある議論は全て意味のないモノになってしまいます。まず議論するに値するかということを担保するためにも、数字そのものの正しさを直感的に把握するということは「数字が強い人」の大きな条件の一つと言えるでしょう。

その数字がビジネスに与える影響は?

例えばWebサイト経由に関するCVR(コンバージョンレート)の目標設計に関する議論をしているとします。CVRの今期実績値は5%。これを1000万の投資と1名の人員追加で7.5%まで引き上げる目標にしたいという人員増+目標アップの提案がマーケティングの現場から上がってきたとします。

もちろん彼らはそれを売上換算するとという数字を持ち込むでしょう。しかし数字に強い人は、その目標値を達成した時の絵柄だけを見て、Yes/Noを判断することはありません。

例えば「1名の人員追加+1000万円」がランニングコストとなって永続的に事業に与える影響、マーケティングへの人員追加ではなく営業や企画への一名の人員追加した時の絵柄との比較、提案者の信頼残高や達成可能性、これらを複合的に判断して、Yes/Noのジャッジをするのです。

これらはつまり、その投資そのものだけでなく、その投資額そのものが事業やビジネスに与える影響がどうなのか、どんな選択肢があり、優先事項は何なのかということを、大きな視点でできることも、「数字が強い」の一つの側面と言えるでしょう。

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3.構造的に数字を捉える力

例えばですが、売上についての議論をする際に、多く用いられるのは「社数と単価」という掛け算だったり、「新規クライアントと既存クライアント」という足し算だったりします。他にも商品ごとだったり、地域ごとだったり、組織ごとだったり、時期要因だったり。またこれらの前年対比だったり、目標対比だったり。数字を分解するレパートーリーは無限にあります。

これら数字を分解することで問題の根源がどのような点にあるのかということを理解し、議論を進めるというのが一般的ではないでしょうか。

「数字が強い」というのは、これらのレパートーリーからどのような分解の仕方が、事業の状況を正しく捉えるための最適解ということを判断する力でもあります。最適な分解の仕方とは「最高のパフォーマンスを生み出すための、最適な現状の捉え方」であるべきです。

これらは問題や課題として表出している点や、わかりやすく数字が落ち込んでいる点にフォーカスを当てがちです。しかしフォーカスされている数字が「結果」では意味がありません。あくまでも「要因」として数字が落ち込んでいる点にフォーカスされるべきです。

なぜならば結果に対する打ち手ではなく、要因に対する打ち手でなければならないからです。とすると、一番「要因・真因」にスポットライトがあたる分解の仕方を判断できる人というのも、「数字が強い人」の特徴です。

4.ビジネスの本質を捉える数字力

先述のお弁当屋さんの事例に戻りますが、A店は損はしていません。B店は500円の損をしています。これが答えです。

結論はいたってシンプルで、A店は従業員が落とさなくとも廃棄を毎日出しているわけですから廃棄量が一つ減るだけでトータルで見ると損はありません。

しかしB店は毎日売り切っているわけですから、お弁当を一つ落とすということは立つはずだった売上が一つ分立たないことになります。つまり、得られるはずだった500円を得られないので、500円の損をしています

この二つの事例では従業員がお弁当を落としてしまったことにより「売上」がかわるか、「原価(コスト)」がかわるかということがポイントになります。

売上についてはA店は変わらないのに対してB店は変わります。一方で原価はもう作ってしまっているわけですのでA店もB店も変わりません。売上の変動が発生するB店のみが損をするということになります。

ではこの二つの数字が教えてくれる二つのお弁当屋さんを取り巻くビジネスの本質とは何かというと、当然「打ち手」に繋がるべきものになります。A店がまずすべきは「生産調整」or「売り切る」ことであり、B店がすべきは「拡大」or「品質管理」となります。

同じような事例になりますが、「打ち手」は全く異なります。このようにビジネスの本質(打ち手)と数字をつなげる力こそが「数字に強人」が持ち合わせている最大の武器と言えるのではないでしょうか。

5.ビジネスパーソンとして数字に強くなるには

数字に強い人とはどんなスキルを持った人なのか、例題を交えつつ紹介しました。最後にあなたが数字に強いビジネスパーソンへ成長していくためにまずは今日からできることに取り組んでみてはいかがでしょうか。

ここまでの記事をまとめると大きく次の3つの視点に分かれています。「数字に強い」とされるビジネスパーソンの多くはこれらを併せ持っていることが多いといえるでしょう。それぞれの視点を磨いていくためのヒントと合わせて参考にしてください。

  • 体系的視点
  • 直感的視点
  • 個別・経験的視点

1.体系的視点

―――簿記、エクセルなどの基礎を一度学んでみる。

もっとも地道でありながら、もっとも効果のある方法と言えるでしょう。また、日商簿記などの資格取得を目標にして進めれば、モチベーションを維持しつつ、キャリアアップも並行して進められます。

>>営業に心の底からオススメしたいビジネスに関する資格8選

2.直感的視点

―――実際の数字を見る前にまずは予想し、根拠を説明してみる。

職場で触れる数字はもちろんですが、株価や企業の売上などニュースでよく見る数字について、「なぜそうなるのか。」と考えることを習慣づけていけば、数字を見、瞬間的に思考する力を身に着けることができます。

3.個別・経験的視点

―――ビジネスの場で実際に使ってみる。

ここがビジネスパーソンにとって一番肝心です。仕事で使うことができなければ数字に強くなっても意味はありません。ステップを踏みつつ、仕事でつかえる「数字」の力を身に着けていきましょう。

営業の現場では、ビジネスへの理解が成果を大きく左右します。本記事で紹介したポイントを振り返り、明日からの業務に少しずつ取り入れていきましょう。

数字を「伝える」力 ― 相手を動かす見せ方

数字を読み解く力と同じくらい、営業に効いてくるのが、数字を「伝える」力です。どれだけ正しく状況を把握しても、それが相手に伝わらなければ、提案は動きません。同じ事実でも、どの数字を選び、何と並べて見せるかで、相手の受け取り方はまるで変わります。たとえば「費用は月に三万円です」と言うより、「一日あたりにすると千円、コーヒー一杯分です」と言い換えるだけで、負担感はぐっと軽くなる。あるいは、ただ「効果がありました」と言うより、「導入前と比べて問い合わせが一・五倍になりました」と、比較の形で示すほうが、はるかに説得力を持ちます。数字は、裸のまま置いても力を持ちません。適切な単位に直し、意味の伝わる比較対象と並べ、相手の実感に届く文脈に乗せて、はじめて相手を動かします。数字が苦手な相手にこそ、こちらが数字をかみ砕いて届ける。この伝える力が、読み解く力を、成果へと結び直します。

数字にだまされない ― 正しくても誤解を生む「見せられ方」を見抜く

数字は、間違っていなくても、人を誤解させることがあります。だからこそ、示された数字を鵜呑みにせず、その見せられ方を疑う目が要ります。よくあるのが、平均の罠です。「平均客単価は八千円」と言われても、少数の高額客が全体を押し上げているだけで、大半の客はもっと安い、ということは珍しくありません。平均は、ばらつきを覆い隠します。次に、率と実数の混同です。「成長率二倍」も、元が小さければ、実数ではわずかな増加にすぎない。率の大きさだけを見て、規模を錯覚しないことです。さらに、グラフの見せ方にも注意がいります。目盛りの取り方一つで、わずかな差が、急激な変化のように演出されることがある。これらは、嘘ではありません。嘘ではないからこそ、かえってたちが悪い。数字を見たら、「分母は何か」「元の数はいくつか」「ばらつきはどうか」と、一歩立ち止まる。正しい数字にこそだまされないための、この慎重さが、判断を誤りから遠ざけます。

まず自分の数字を持つ ― 営業が即答できるべき指標

数字に強い人は、人の数字を分析する前に、まず自分の数字を、そらで言えます。上に立つ人ほど自社の売上や利益を正確に把握しているように、現場の営業にも、即座に答えられるべき自分の数字があります。ところが、いざ「あなたの今年の受注率は?」「一件あたりの平均単価は?」「問い合わせから受注まで平均で何日?」と聞かれて、すぐに答えられる人は、意外と多くありません。多くは、受注の件数という、いちばん目立つ数字しか見ていないのです。まずは、自分の活動を表すいくつかの数字を、手元で押さえておく。商談の数、受注に至る割合、一件あたりの単価、成約までの日数。これらを、感覚ではなく実際の値として言えるようにしておくだけで、自分が今どう戦えているのかが、くっきり見えてきます。自分の数字を握れていない人が、他人の数字を語ることはできません。数字力の出発点は、遠くの経営指標ではなく、まず足元の、自分自身の数字にあります。

目標を行動に「逆算」する ― 数字を明日の動きに翻訳する

把握した数字は、現状を知るためだけのものではありません。もう一つの大きな使い道が、目標から逆算して、日々の動きに翻訳することです。たとえば、半期で受注を十二件取りたい、という目標があったとします。そこで止まっていては、目標は数字のままです。ここから逆算していきます。過去の受注率が四件に一件だとすれば、十二件の受注には、およそ四十八件の商談が要る。半期はおよそ六か月だから、月に八件、週に二件の商談を組めばいい。こう割り戻していくと、遠かった目標が、「今週、二件のアポを取る」という、目の前の行動にまで下りてきます。大きな数字は、そのまま眺めていても、体は動きません。それを、自分が明日何をすればいいのか、というところまで割り戻して、初めて手がかりになります。目標を、掛け声で終わらせるか、日々の具体的な行動に変えられるか。この逆算の一手間が、数字を、絵に描いた餅から、実際に届く到達点へと変えていきます。

そもそも「数字に強い」とは、速く計算できることではなく、数字に何を問うかを知っていることである

ここまで数字を扱う実務を見てきましたが、最後に、そもそも「数字に強い」とは、どういう力のことなのかを、あらためて考えてみたいと思います。多くの人は、数字に強い人と聞くと、暗算が速い、計算が得意、といったことを思い浮かべます。そして、自分は計算が苦手だからと、数字そのものから逃げてしまう。けれど、本当に問われている力は、計算の速さではないのだと思います。

思い出したいのが、冒頭にあった、弁当を一つ落とした店の損はいくらか、という問いです。あの問題で試されているのは、実は計算力ではありません。引き算そのものは、誰にでもできます。難しいのは、その一個の損が、売上のほうに出るのか、それとも原価のほうに出るのか、という「どこを見るべきか」を掴むことです。同じ一個を落とすという出来事でも、その店が置かれた状況によって、損の意味はまるで変わってきます。つまり、正しい答えにたどり着けるかどうかは、電卓を叩く前の、「何を問うか」で、ほとんど決まっているのです。数字は、こちらが立てた問いに応じて、まるで違う顔を見せます。

そう捉えると、数字に強い人の正体が見えてきます。それは、数えきれない計算式を覚えている人ではなく、目の前の数字に対して、良い問いを立てられる人です。この数字は、そもそも何を測ったものなのか。何と比べれば、意味が浮かび上がるのか。この数字が動いたら、その先で何が起きるのか。数字そのものは、ただそこにある事実にすぎません。それを、意味のある情報に変えるのは、いつも、こちらが投げかける問いのほうです。良い問いを持たない人には、どんな正確な数字も、ただの記号の羅列にしか見えません。

だとすれば、数字が苦手だと感じている人が、本当に鍛えるべきは、計算力ではありません。目の前の数字に、「これはどういうことか」「なぜそうなるのか」「だから何をすべきか」と、問いを重ねていく癖です。そして、この問いを立てる力は、算数の才能から来るのではなく、自分の仕事やお客様のことを、どれだけ具体的に考えているかから生まれます。数字は、問うた分しか答えてくれません。裏を返せば、良い問いさえ持てれば、数字はいくらでも、ビジネスの本当の姿を語り始めます。数字に強くなるとは、数字を怖がらずに、問いかけ続けられるようになることなのだと思います。

筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

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