営業代行とは?知っておきたい営業アウトソーシングの活用パターン|営業代行の活用パターン別・使いどころと費用対効果の測り方
営業代行は営業プロセスのどの部分をアウトソースするかによって大きく「アポ取り型」と「営業行為そのものの代行型」の2種類が存在します。またこの2種類に加えて、報酬が「固定型」なのか、成果に連動した「成果報酬型」なのかで、結果4パターンの営業代行の選択肢が存在することなります。加えて営業同行や営業組織の仕組み作りなどを委託する「営業マネジメント代行型」や、指揮命令系統がクライアント側である自社に残る「派遣型」の営業代行なども存在します。
営業代行の種類
営業代行は営業プロセスのどの部分をアウトソースするかによって大きく2種類存在し、報酬パターンの組み合わせを含めると4パターンの営業代行が存在します。また営業代行を大きく捉えると、派遣型やマネジメント型などの営業代行も含まれてきます。代行企業によってできるできないがありますし、それ以前に、自社としてどのような形でオーダーするのが好ましいのかという点ももちろん把握しておかなければなりません。
アポ取り型
アポ取り型の営業代行は、新規営業をしていく上で一番ポイントになる新規アポのTel代行を実施してくれます。いわゆる既存顧客のフォローなどをメインにしたコールセンター機能的な部分も請け負ってくれる場合もあります。場合によっては追加受注などを電話でするような形で依頼することも可能です。
これらをアウトソースするメリットとしては、大きくアポ取りに関するノウハウを代行業者が持っている点があります。多くの人が「自社の商品に関するアポ取りは難しい」「専門知識が多いので素人ではできないだろう」と思われる方が多いですが、そういったケースをより多くこなしているのがアポ取り代行業者なのです。検討の結果、専門性が高すぎて引き受けてもらえないケースがないとは言いませんが、すくなくとも検討段階でそのような理由で排除する必要はないように思います。
成果報酬パターン
報酬の支払いの形として、アポ一件を買い取るようなイメージが成果報酬パターンです。当然、一ヶ月などの期間内で上限を設けることができます。例えば1ヶ月の上限を100万円で設定し、1アポを10000円で単価設定すると月に100件のアポ を上限として、契約期間内は供給され続けます。
新規営業が肝になる事業においては1アポ獲得コストというのは常に考えておくべきです。月給が30万の営業マンであれば法定福利だけでも15%程度のコストがアドオンでかかります。そこにオフィス家賃や携帯代、マネジメントコストなどを含めると一人当たり100万程度のコストと法定福利が給与とは別に掛かっていても全然おかしくありません。とした時に、その営業マンがテレアポをし続けた時に、獲得できるアポ獲得コストよりも安く買い取れるのであれば、基本的に営業代行会社に成果報酬パターンで受けてもらえるのであれば発注した方がよいでしょう。
商品や業界によって全く異なりますが、価格の目安感でいうと、一アポの獲得単価が5000円を下回っていれば激安。10000円〜15000円が比較的平均値と言えるのではないでしょうか。
固定額パターン
成果報酬ではなく、コール量や配置するコール人員の人月だけを確定した上で、どれだけアポに繋がろうが支払額は一定でいいというケースも存在します。逆にいうと仮に一件もアポが取れなかったとしても、固定額なので支払は発生します。 営業代行会社の多くは成果報酬と固定額を使い分けています。つまり彼らにとっての売上が固定なのか成果に応じて変動するのかという点がポイントになるわけですが、その見積もりをどのようにクライアント先に出すかというのは彼らの意志に委ねられています。
一番大きなポイントは「アポを獲得する自信があるかどうか」という点です。彼らも数多くの業界や商品を取り扱う様々なクライアントの営業代行を経験する中で、「アポの取りやすい傾向のあるもの」「そうでないもの」の峻別を経験でできるようになっていきます。
仕事を引き受けるかどうかという点において、彼らがクライアント以上に気にするのは「結局どれぐらいのアポ獲得につながるのか」という点です。自信があればあるほど、成果報酬型でクライアントに提案しますし、前例がなくヨメない場合は固定額で提案してきます。つまり成果報酬型で提案されると、ほぼ彼らの中で、アポ獲得について前例などをベースにそれなりの自信があるということになります。
価格の目安感でいうと固定額で50万円/人月以内に収まっていれば比較的安価であると言えるでしょう。逆に75万円/人月を超えていれば少し高い価格設定です。人月を絞って10万円を超えるぐらいからの発注も可能な企業もあります。
代行営業型
アポ獲得ではなく営業そのものを委託するケースです。営業業務委託と違う点は、継続して取引窓口をしてもらうわけではなく、あくまでも新規営業の風穴を空ける部分だけを委託するだけです。(継続して取引の窓口をしてくれる代行業者も多く存在しますが、そういったケースは営業代行ではなく営業業務委託の位置付けとなります)もし受注につながった時は、基本的に自社で窓口を引き継ぐケースが営業代行としては一般的です。
成果報酬パターン
テレアポ代行と同じく成果報酬で受注に繋がった時のみ、支払いが発生する価格設定も用意されています。商材のわかりやすさという点と営業対象であるクライアントがどれぐらい存在するのか、営業そのものの難易度、受注単価など様々な要因が価格設定に影響を与えますので、一概に平均値というものの算出は困難です。
固定額パターン
固定額の場合は、企業によっての違いももちろんありますが、安ければいいというものではありません。ただ頭数を揃えればそんなに人による差が出ないというようなケースであれば、安い方が望ましいかもしれませんが、安い価格設定をしている=営業力が弱いケースも存在します。
それでも営業会社としてのノウハウが多くあるので、それなりの成果に結びつけることはできるかもしれませんが、月単価60万円の発注と月単価100万円の発注と選択肢が二つあったとして、月間の受注額に40万以上の差が出るのであれば、高い方がいいという結論になります。
これらにおいて重要なことは、「人によって販売額の差が出やすい商材かどうか」という点です。接触量と受注確率と単価の掛け算で受注額は簡易に計算することができますが、扱っている商材の特性上、受注確率と単価に大きな差が出やすいのであれば、発注単価の高い営業代行会社の検討も前向きに考えてよいのかもしれません。
マネジメント委託型
営業マンそのものの派遣というよりかは営業同行などを通じて営業活動そのものの問題点を指摘してもらったり、受注のヨミ管理の仕組みや、営業マネジメント全般に関する仕組み構築そのものをアウトソースすることも可能です。特に商品開発力は強いが、営業経験がある人が少なくマネジメント如何によって、成果に大きな差が出るのではないかというような仮説を持っている場合は、マネジメントやマネジメントの型そのものを委託することも前向きに検討してもよいでしょう。
派遣型
営業代行の固定報酬型に比較的近いですが、一番大きい点は「命令指揮系統」が営業代行側かクライアント側かどちらにあるのかという点です。固定報酬型は命令指揮系統が営業代行側にあります。そのため常駐が前提になっていないケースもたくさんありますし、何よりも営業プロセスそのものに対するオーダーは基本的には存在しません。
一方派遣型は、通常の派遣と同様にクライアント側に、命令指揮権限が存在します。従ってマネジメントなどの命令指揮系統がクライアント側に存在する限りは、成果に応じた報酬の支払い(インセンティブ除く)は一般的ではなく、あくまでも固定費としての支払いとなります。
営業代行と向き合い、実践を重ねることが、成長のカギになります。学んだことを、明日からの一歩につなげていきましょう。
活用パターン別に見る「どの局面で外に出すか」
営業代行をどの型で頼むかを決める前に、まず「どの局面で使うのか」を切り分けておくと、発注後のズレが小さくなります。同じ代行でも、狙う局面が違えば求める成果も評価軸も変わるためです。代表的な局面は四つに整理できます。
一つ目は新規開拓です。まだ接点のない市場や業界に対して、最初の面談機会を数多く作りたい場面です。自社にリストもトークもない状態から立ち上げるより、その領域で架電や訪問を重ねてきた代行の量とスピードを借りたほうが、初速が出やすくなります。このとき自社が受け取るべきは「面談数」だけでなく、断られ方の傾向や刺さった訴求といった一次情報です。ここを引き出せるかどうかで、後の内製化の速さが変わってきます。
二つ目は既存深耕です。取引はあるものの、担当が手一杯で接触頻度が落ちている顧客層に、定期的なフォローや追加提案の声かけを担ってもらう使い方です。新規ほど派手さはありませんが、離反の兆しを早く拾えるため、解約率の高い事業ほど効きます。既存深耕では、代行に渡す顧客情報の粒度が成果を左右します。過去の購入履歴や前回の温度感を添えて渡せるかどうかで、会話の質が変わります。
三つ目は立ち上げ期のスポット活用です。新商品や新拠点を出したばかりで、専任を採用するには早いが放置もできない、という時期に、期間を区切って営業機能だけを借りる使い方です。採用と育成に数か月かける代わりに、翌週から動ける体制を一時的に確保できます。ここで気をつけたいのは、スポットで得た手応えを社内に残す仕組みを最初から用意しておくことです。期間が終われば人も知見も引き上げられてしまうため、記録の受け渡しを契約条件に含めておくと安全です。
四つ目は繁忙期の補完です。展示会明けや期末など、問い合わせや見込みが一時的に膨らむ時期に、自社の営業が取りこぼす分を代行に受けてもらう使い方です。年間を通じて雇うほどの量はないが、ピーク時だけは人手が明確に足りない、という波のある事業に向いています。補完型では、自社が対応する案件と代行に回す案件の振り分けルールを事前に決めておかないと、優良案件まで外に流れてしまう恐れがあります。
自社に残す機能と、外に出す機能の線引き
どの局面で使うかが決まったら、次に「営業のどこを外に出し、どこを自社に残すか」を線引きします。ここを曖昧にしたまま丸ごと委託すると、成果は出ても自社に何も蓄積されない、という状態に陥りやすくなります。
線引きの基準は、その機能が「自社の独自性に触れるかどうか」です。初回接点を作る、条件を確認する、日程を調整するといった、どの会社でも手順が似ている工程は外に出しやすい部分です。一方で、自社商品の使いこなし方を顧客の事情に合わせて描く、価格の最終判断を握る、既存顧客との関係の機微を読む、といった工程は、外に出すほど自社の強みが薄まっていきます。
実務では、最初の面談獲得と一次ヒアリングまでを代行に任せ、提案とクロージングは自社が引き取る、という分け方が扱いやすい形になります。顧客との関係が深まる後半ほど自社が握る、と決めておけば、受注に至った顧客情報や意思決定の勘所は自社側に残ります。逆に、後半まで委託する場合は、顧客との会話ログや提案経緯を自社の管理環境に集約する取り決めを結んでおかないと、契約終了と同時に顧客との接点そのものが失われかねません。
線引きは一度決めたら固定するものではありません。立ち上げ期は広めに外へ出し、内製の体制が整うにつれて手前の工程を自社に取り戻していく、という移し替えを想定しておくと、代行への依存が固定化しません。
費用対効果を「単価」ではなく「回収」で測る
料金体系そのものの選び方は判断の入口にすぎません。実際に効いているかを見るには、支払った金額に対して何がどれだけ返ってきたかを、いくつかの段で追う必要があります。面談一件あたりの単価が安いか高いかだけで判断すると、量は増えたのに受注につながらない、という落とし穴にはまります。
追うべき段は、面談数から先にあります。獲得した面談のうち何割が商談に進んだか、商談のうち何割が受注に至ったか、受注一件あたりの金額はいくらか、という流れで見ていくと、どの段で目減りしているかが分かります。面談は潤沢に出ているのに商談化しないなら、ターゲットのずれか訴求のずれを疑います。商談までは進むのに受注が薄いなら、それは代行の問題ではなく自社の提案側の問題である可能性が高くなります。
回収の視点も欠かせません。獲得した顧客が一度きりの取引で終わるのか、継続的に買い続けるのかで、同じ獲得コストの意味はまったく変わります。継続取引が前提の事業なら、初回の受注額ではなく、その顧客が生涯にわたって生む金額を分母に置いて費用を評価します。半年から一年かけて回収する前提で見れば、初期の単価が多少高くても投資として成立する場面は少なくありません。
もう一つ見落としがちなのが、外に出さなかった場合の費用です。採用にかかる期間、育成の時間、その間に逃す機会の大きさを合わせて見ると、代行の支払額だけを取り出して高い安いを論じるのは片手落ちになります。自社でゼロから立ち上げる場合の時間と機会損失を並べて初めて、外注の費用対効果は正しく比較できます。
代行と自社が噛み合う運用をどう設計するか
契約して面談リストを受け取るだけでは、代行は動く量を増やしてくれる外部の手にとどまります。成果を伸ばすには、代行を自社の営業活動の一部として組み込む運用の設計が要ります。
起点になるのは情報の往復です。自社からは、狙いたい顧客像、刺さりやすい訴求、避けたい断られ方を、抽象論ではなく具体例で渡します。代行からは、架けた先の反応、よく出た断り文句、想定と違った手応えを、定例で吸い上げます。この往復が週単位で回ると、ターゲットとトークが現場で少しずつ研がれていきます。月に一度の報告を眺めるだけでは、この学習は起きません。
引き継ぎの設計も成果を分けます。代行が獲得した面談を自社が引き取る場面で、温度感や約束した内容が言葉にならず抜け落ちると、顧客は同じ話を繰り返させられ、せっかくの機会が冷えます。引き継ぎの様式をあらかじめ揃え、どの顧客に何を伝えたかが一目で分かる形で受け渡す取り決めを結んでおくと、この目減りを防げます。
最後に、代行が持ち帰る知見を自社に残す道筋を用意しておきます。刺さった訴求や有効だったリストの傾向は、契約が続く間だけの借り物にせず、自社のトークスクリプトやターゲット定義に書き戻していきます。この書き戻しを続けるほど、代行に頼りながらも自社の営業力そのものが底上げされ、いずれ手前の工程を自社に取り戻す判断もしやすくなります。
代行を検討するとき、本当に問われているのは「自社の営業が言葉になっているか」
営業代行を使うかどうかを、人手が足りているかどうかの問題として捉えているうちは、判断の芯を外しています。頭数が足りないから外から借りる、という発想は分かりやすいのですが、それは「借りた人が動けるだけの営業が、自社の中で言葉になっているか」という、より手前の問いを飛ばしています。
営業という仕事は、外から見ると一つの塊に見えます。しかし中身を開けると、誰に声をかけるかを選ぶ工程、最初の関心を引く工程、事情を聞き出す工程、解決像を描く工程、条件を握る工程、といった細かな作業の束でできています。外に出せるのは、このうち切り出せるほど言語化された工程だけです。誰に何をどう言えば面談が取れるのかが自社の中で言葉になっていなければ、代行に渡すのは白紙の指示書であり、代行は自分たちの経験で穴を埋めるしかありません。その結果が自社の狙いとずれても、ずれの理由を検証する土台すら手元にない、という事態になります。
だからこそ、代行を検討するという行為そのものが、自社の営業がどれだけ属人的かを映す鏡になります。切り出そうとして初めて、これまで一人の営業の頭の中だけで回っていた判断が、いかに言葉にされてこなかったかが見えてきます。ターゲットの選び方が担当者の勘に頼っていた、刺さる訴求が本人にしか説明できなかった、断られたときの引き際が経験則でしか語られてこなかった。委託を前提に工程を書き出す作業は、この属人性を一つずつ表に引きずり出していく作業でもあります。
この視点に立つと、代行の活用可否は「外に出せるか」ではなく「どこまで言語化・標準化できているか」で決まる、と言い換えられます。言語化が進んだ工程から順に外へ出せるようになり、言葉にならない工程は自社に残すしかありません。ここで言う言語化とは、誰に、どの順で、何を聞き、どう返すかを、その営業がいなくても別の人がなぞれる形にすることです。トークの台本、ターゲットの条件、断られたときの分岐を書き出せた工程は、そのまま委託の指示書になります。逆に、書き出そうとして手が止まる工程こそ、自社の営業が一人の勘に依存している箇所にほかなりません。そして言葉にする作業を進めれば進めるほど、外注できる範囲は広がり、同時に自社の営業そのものが再現可能なものへと変わっていきます。
つまり営業代行の検討は、外部リソースを買う交渉であると同時に、自社の営業を工程の束として棚卸しする作業です。委託先を選ぶ前に、自分たちの営業のどこが言葉になっていてどこがなっていないかを一度書き出してみます。その棚卸しを経た会社は、たとえ代行を使わない結論に至ったとしても、自社の営業が何でできているかを一段深く掴んだ状態で次に進むことができます。
Noteも書いてます
営業を"言語化""構造化"する話を、ゆるめに。

