自動販売機の設置|外回り営業のついでにできる副業の始め方
自動販売機の設置は営業マンの副業として実に有効な手段の一つかもしれません。移動中や空き時間に、自動販売機が設置できそうなスペースを探し、オーナーと交渉をすることが仕事になります。しかし土地のオーナーが法人だと即決ということはまずないでしょう。また都心部は単価が3万円前後で報酬が設定されているのに対して、都心部以外では1万円前後が報酬として設定されているようです。
外回りをする営業マンに最適の「自動販売機の設置」という副業
自動販売機の設置を副業とするには大きく3種類あります。
- 自動販売機を買い取り、自分の土地に置く
- 自動販売機をレンタルし、自分の土地に置く
- 自動販売機を置ける場所を探す
もちろん自分の土地があるのであれば1,2も選択肢になるでしょうが、自動販売機一台分以上の余剰スペースを持っている人というのが、それほど多いとは限らないため、「3,自動販売機を置ける場所を探す」副業について解説します。
自販機場所の設置探しで実際にやること
業者を探す
まず最初にすることは、自動販売機を設置したくて、なおかつ販売場所の設置スペースを探してくれた人に報酬を支払うという業者を見つけることからです。検索すると少しですが出てきます。例えばs.d.sというサイトではサントリーとアサヒ飲料の自動販売機を扱えるようです。
場所を探して、土地のオーナーに交渉する
クライアント先に訪問する際や、移動中などに自動販売機一台分以上が置けるスペースを探し、その土地のオーナーと交渉をすることになります。副業として対価を得る部分はこの「場所を探し交渉する」ことです。しかし特に都心部では、ビルやマンションなど賃貸物件が多く、仮に設置できそうな場所を見つけたとしても、そこのオーナーがその場所にいる可能性の方が低いという点に難しさがあります。
また土地のオーナーが法人の場合、即決ということにはまずなりません。月に1〜2万円程度あるかないかもわからない利益のために、プロフィット部門ではない総務的部署が前向きに対応してくるとも思えず、運良く飛び込みで交渉できたとしても法人相手だと格段に難しくなるでしょう。
報酬を受け取る
気になる報酬額は、だいたい都心部で3万円前後、都心部以外だと1万円程度のようです。また一定期間内に一定以上の契約を獲得できた場合はインセンティブのような、設置報酬とは別に報酬を得ることができるようです。
営業の現場では、営業への理解が成果を大きく左右します。本記事で紹介したポイントを振り返り、明日からの業務に少しずつ取り入れていきましょう。
始める前の確認 ― 副業の規定と、本業との線引き
手軽そうに見える副業ですが、始める前に、必ず確かめておくべきことがあります。まず、自社の就業規則です。会社によっては、副業そのものを禁じていたり、事前の申請を求めていたりします。黙って始めて、後から問題になるのは避けたい。そして、最も大切なのが、本業との線引きです。この副業は「外回りのついでに」と語られがちですが、そこには落とし穴があります。本業の勤務時間や、会社の経費で動いている移動を、副業のために使えば、それは会社の時間を私的に流用していることになりかねません。訪問先で得た情報や人脈を、副業に転用するのも危うい。あくまで、本業に一切食い込まない、完全に自分の空き時間の中で行う。この一線を、自分の中ではっきり引いておくことです。副業は、本業があってこそ許される営みです。足元の仕事をおろそかにしたり、会社のものを使ったりしないという前提を、最初に固めておくべきです。
場所を見る目を養う ― 売れる設置場所の条件
この副業の肝は、良い設置場所を見抜けるかどうかにあります。ただ空いたスペースを見つければいい、というものではありません。売れる場所には、いくつかの条件があります。まず、人の通りや、人が立ち止まる場所であること。ただ通り過ぎるだけの道より、人が待ったり、休んだりする場所のほうが向いています。次に、近くに競合となる自販機や店が、すでにないこと。飲み物が買える場所がすぐそばにあれば、売上は見込めません。さらに、設置に必要な電源が取れそうか、車を寄せて商品を補充できるか、といった現実的な条件も見ておく必要があります。日々、街を移動する中で、こうした目で風景を眺める癖をつけると、これまで素通りしていた場所が、急に「候補地」として見えてくるようになります。ただ探すのではなく、何が売れる場所を作るのかを理解したうえで探す。この見る目の差が、成果を大きく分けます。
交渉を成功させる ― オーナーの得を、正しい相手に示す
良い場所を見つけても、その土地の持ち主に首を縦に振ってもらえなければ、話は前に進みません。交渉で効くのは、相手の側に立って、利点を語ることです。土地の持ち主にとって、使っていない小さなスペースが、何の手間もかけずに、毎月いくらかの収入を生む。設置も補充も管理も、すべて業者が担い、自分は場所を貸すだけでいい。この「手間なく、遊んでいた場所がお金になる」という点を、相手の目線で、具体的に伝えることが鍵になります。また、誰に話すかも大切です。とくに相手が会社組織の場合、その場にいる人が決定権を持っているとは限りません。誰が判断する立場なのかを見極め、その人にたどり着くことが要ります。いきなり飛び込むより、まず窓口で話を通し、しかるべき担当につないでもらう。こうした段取りは、日ごろの営業活動で培ったものが、そのまま生きてきます。相手にとっての得を、正しい相手に、分かりやすく示す。交渉の基本は、ここでも変わりません。
労力対効果を見極める ― 割に合うかを、始める前に見積もる
始める前に、もう一つ、冷静に見ておきたいことがあります。それは、かけた労力に、報酬が見合うのか、という点です。一件あたりの報酬は、場所によって幅がありますが、決して大きな額ではありません。しかも、この副業は、探して、交渉して、契約に至るまでに、相応の手間と時間がかかります。良さそうな場所を見つけても、持ち主にたどり着けなかったり、断られたりで、なかなか成約しないことも多い。つまり、一件を決めるまでの労力を考えると、時間あたりの実入りは、思ったほど大きくならないこともあります。もちろん、外回りの合間に、無理なく続けられるなら、塵も積もればという面はあります。大切なのは、始める前に、どれくらいの手間で、どれくらいの見返りがありそうかを、現実的に見積もっておくことです。夢のような不労所得を思い描いて飛び込むと、労力の割に合わず、途中で投げ出すことになりかねません。地道な積み重ねだと割り切れるかどうかが、続けられるかの分かれ目です。
そもそもこの副業の本当の値打ちは、数万円の報酬ではなく、「会社の看板を外した自分」の力を試せることにある
ここまで、自販機の場所探しという副業を実務の目で見てきましたが、最後に、そもそもこの副業が、営業という仕事をする人にとって、どういう意味を持つのかを考えてみたいと思います。「外回りのついでにできる小遣い稼ぎ」。そう紹介されがちですが、その値打ちは、実は、稼げる金額のほうにはないのかもしれません。
考えてみると、この副業でやることは、営業の仕事と、驚くほどよく似ています。日々の風景の中に、人が見過ごしている機会を見つける。見ず知らずの相手のところへ出向き、話を聞いてもらう。そして、気の進まない相手の気持ちを、少しずつこちらへ引き寄せる。これらはすべて、営業として日々鍛えている力そのものです。そして、ここに大事な点があります。この副業の場では、あなたには、会社の名前も、扱ってきた商品も、ありません。あるのは、自分自身と、これまで培った力だけ。いわば、看板を外して、素手で勝負する場なのです。
だからこそ、この副業には、報酬とは別の、ひそかな値打ちがあります。それは、自分の力が、会社の外でも通用するのかを、確かめられることです。営業として成果を上げていても、その成果が、本当に自分の実力によるものなのか、それとも、会社の知名度や、商品の強さに支えられていたのかは、案外、自分では分からないものです。看板の後ろにいるかぎり、そこは見えません。ところが、名前も商品も持たずに、見知らぬ相手を動かせるかどうかを試すとき、初めて、支えを取り払った自分の、正味の力が見えてきます。
そう考えると、この副業は、街に自販機を一つ増やすこと以上のことを、あなたに教えてくれます。もし、看板のない場所でも、相手を動かせると分かれば、それは、あなたの力が、一つの会社に縛りつけられたものではなく、どこへでも持って歩ける、あなた自身のものだという証になります。逆に、そこで思うようにいかなければ、自分がどれだけ会社に支えられていたかを、謙虚に知ることができる。数万円の報酬より、この「素手の自分は、どれだけ戦えるのか」という問いへの答えのほうが、長い目で見れば、はるかに大きな収穫なのだと思います。

