営業を辞めたい時にフリーランスや独立という選択肢があることも知っておく

営業を辞めたい時にフリーランスや独立という選択肢があることも知っておく 独立して食えるかは「営業力」ではなく「会社の看板を外しても残る顧客」で決まります

営業を辞めたい時に考えておくこととして、辞めた後のパターンとして一般的にどのようなものが考えられるのでしょうか。会社そのものも一緒に辞めてしまうのかどうか。営業とは違う仕事を今後はするのか。業界も変えるのか。など様々な選択肢があります。「思い切って独立する」や「そもそも辞めない」などのレアなパターンについて解説しています。

独立する。フリーランスとして働く

あなたの選択肢としてあまり考えていないかもしれませんが、あなたには独立するという選択肢もあります。法人として会社を立ち上げることも、個人事業主として活動をしていくということも可能です。

多くの企業が従業員の働き方に対して改善や改革を求められている昨今、個人の働き方も多様化しています。雇われない生き方という選択肢もありますし、それは昔ほど一部の人たちだけの選択肢ではなくなっている現状があります。

起業という選択肢

営業マンとして仕事をしていたあなたができる独立という選択肢にはどのようなものがあるのでしょうか?一般論ではありますが、「ヒト」「モノ」「金」「情報」が、他社との差別化をはかる経営資源と言われています。

一緒に働く人がいるかいないか。取り扱う商品はあるか、またそれは売り物になるのか。当面の運転資金はあるか。また粗利が出るビジネスモデルを構築できるか。加えて成長するために必要な新鮮かつ出回っていない情報をより早くキャッチできる体制を構築できるか、などの観点で足りていないものや、今の自分にできることを考えてみると、意外と全くない選択肢ではないことに気づきます。

ポイントは今の延長で考えないことと、少なくとも3年続けるための目処をどのようにつけるという点です。

フリーランスという選択肢

また、フリーランスとして例えば営業代行というような選択肢もあります。自社の商品を自社の営業マンのように販路を拡大してくれるパートナーは常に求めているという企業は一定割合存在します。

新たなスキームができることを嫌ったり、市場を荒らされて競争環境を作りたくなかったり、独占的に自社で販売したいなど、もちろん断られるケースもたくさんありますが、少なくとも自分に営業としての実績があり、なおかつ特定の業界とのクライアントとのパイプがあれば、比較的すぐにフリーランスの営業として売ったら売っただけマージンをもらえるようなビジネスモデルはすぐに作ることができるでしょう。

また起業とは違い、それほどの初期コストも不要ですので、営業としての実績やクライアントのパイプに自信があるのであれば、ぜひおすすめしたい選択肢です。

商売は甘い

多くの人が起業したり独立することを「厳しい」と言ってオススメされないこともあると思います。しかし実績があり実力があり、なおかつパイプがある人にとってはこれほど甘い選択肢はないと思います。

というのは企業は従業員を雇用してなおかつ利益を出しているのです。ということは多くの営業マンは自分の給与を捻出するぐらいの売上は当たり前のように目標として負担している現実があります。

もちろん雇用するからには付随する法定福利や生活費・家賃などのコストはかかるので、給与額面がそのまま雇用に伴うコストではありませんが、それでも給与の2倍程度が上限です。

しかも実力がある人もない人も、売上を生まない営業マン以外の職種の人の人件費も、全部含めて最低でも人件費額面の2倍の売上はほとんどの企業が担保しています。

ということはその中でも稼ぎ頭だった人が自分の給与を捻出すること自体はそんなに難しいことではありません。「誰(どのクライアント)に」「何(商品)を」「いくら(一件あたりのマージン額)で」売るか、さえ確保し、見通すことができれば、恐らく営業のフリーランスとして生活することは全く問題なくできると言えるでしょう。

むしろ問題は、(年収を二倍にするというような)あなたにとってそれほど高いハードルではないことに対して満足をしてしまい、自分を過信することかもしれません。

辞めない

本当に今あなたが抱えているのは辞めるほどの理由なのでしょうか。また転職や異動によって解消されるのでしょうか?もっと言うとそれに伴って新しく今以上のストレス源を抱える可能性は本当に低いのでしょうか?

もちろん前向きな退職や、ステップアップと呼べるような転職があることも事実です。長く同じことを続けることだけが選択肢ではありません。そして、もし今あなたが営業職を辞することを「逃げ」だと自分で思っていたとしても、逃げた先でまた逃げるとは限りませんし、今以上によい職場に恵まれる可能性も大いにあります。

一方で、転職や退職、異動というのはそれなりに自分に人生に大きな影響を及ぼすものです。もし今あなたが一過性の感情で辞めたいと思っているのであれば、先述していたような各選択肢のメリット・デメリットを冷静に考えながら、本当に「今」営業職を辞めたほうがいいのかを再度考えることをオススメします。

最悪なのは「辞める」ことを決意し、衝動的に会社に伝えてから転職活動を開始することです。特にこれまで転職を考えてこなかった人は自分の市場価値などを冷静に判断し知る機会というものはそれほどありません。

もしかすると今の環境は相対的にあなたにとって「よい職場」である可能性すらあります。衝動的に辞めることだけ決めるのではなく、辞めた先の選択肢としてどのようなものがあることを知って、何を判断軸として自分はどれを選ぶのかということを決めた上で、かつ身の振り先が確定してから、会社には辞めることを伝えるようにしましょう。

「自分の給与ぶんを稼ぐ」のは、実はそれほど難しくない——ただし条件があります

営業を辞めたいと考えたとき、独立やフリーランスという道は、思っているより現実的な選択肢です。よく独立は「厳しい」と言われますが、実績とパイプのある営業にとっては、必ずしもそうとは限りません。理由は、企業の仕組みのほうにあります。会社は社員を雇って、なお利益を出しています。

ということは、稼ぎ頭の営業は、雇われている間、自分の給与のゆうに2倍以上の売上を会社に稼がせているはずなのです。だとすれば、独立して自分一人が食べていくぶんの売上を作ること自体は、決して無謀な話ではないでしょう。ただし、ここには一つ、見落としてはいけない条件があります。

それは、あなたが今あげている売上の、どこまでが「自分の力」で、どこからが「会社の看板や商品、既存の顧客」のおかげなのか、という切り分け。独立して持ち出せるのは、会社の名前ではなく、あなた個人に紐づいた信頼と、人とのつながりだけです。

ですから、独立を考えるなら、まずやるべきは、たった一つのテストです。「もし明日、会社の看板が消えても、自分の名前で取引を続けてくれる顧客は、何件あるのか」。これを正直に数えてみることが、すべての出発点になるのではないでしょうか。

私が会社員をやめた後に直面したことは、「難しくない」でした。それは、同時に「会社の看板がなくても通用するスキルを会社が与えてくれていた」の証左でもあったのかもしれません。

辞めてから探すのではなく、「小さく試してから」決める

もう一つ、独立や転職を考えるときに、絶対に避けたい順番があります。それは、「辞めること」だけを先に決めて、衝動的に会社に伝えてから次を探し始める、という進め方です。これまで転職を考えてこなかった人ほど、自分の市場価値を冷静に知る機会がありません。看板を外した自分にいくらの値段がつくのか、わからないまま飛び出すのは、あまりに危険でしょう。

幸い、フリーランスの営業には、いきなり辞めなくても試せるという大きな利点があります。起業と違って、初期のコストがほとんどかからないからです。ですから、辞めるかどうかを決める前に、まずは小さく試してみてください。たとえば、今の会社と競合しない範囲で、どこか一社の商品を自分の名前で売ってみる。

実際に一件、自分の力でマージンを得られたなら、それは独立できるという何よりの証明です。逆に、思うように取れなければ、これまでの成果は会社の看板に支えられていた部分が大きかった、と気づくことができます。どちらに転んでも、感情だけで決めるより、ずっと確かな判断ができるはずです。

大きなリスクやチャレンジをする前に、試し打ちを何度かしておけば・・・というケースも多くあります。

私の友人は、独立後、即借り入れをして大きく打って出た人もいました。結果的にはうまくいかなかったのですが、会社員時代に小さくトライアンドエラーをしていれば違った結果になったのではないかと思うこともたくさんありました。あくまでも横から見ていての感想にすぎませんが。

辞める先を、知って、試して、確かめてから選ぶ。その順番を守るだけで、後悔する確率は大きく下がっていくのではないでしょうか。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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