クライアントからのサービス要求があった時に持っておきたい5つの判断軸

クライアントからサービス要求を受けた時は、下記5点の観点で判断することが望ましいと言えます。

  1. 新規クライアントか既存クライアントか
  2. サービス対応をきっかけとした取引拡大を見込めるか
  3. 理にかなったサービスか
  4. 企業として誠実な取引か
  5. 営業の心理的負荷

この5点に沿って、サービス要求に応対すべきかどうかを判断することが望ましいと言えるでしょう。

クライアントからのサービス要求の正しい対応の仕方

営業としていくつかのクライアントの応対窓口をしていると、様々なタイミングでクライアントからサービス要求を求められることがあります。例えば下記のようなタイミングでサービス要求を受けた経験のある営業マンも多いのではないでしょうか?

  • トラブル・クレームの応対時
  • ボリュームディスカウント
  • 競合との相見積

正しいサービス対応とは

クライアントからのサービス要求を受けた時に、どのような対応をすることが望ましいかということは大きく下記5点を判断軸として持っておき、判断することが望ましいと言えるでしょう。

  1. 既存クライアントか新規クライアントか
  2. サービスすることにより取引拡大を目指すことができるか
  3. 理にかなったサービスか
  4. 企業として誠実な取引か
  5. 営業の心理的負荷

既存クライアントか新規クライアントか

結論として新規クライアントに対する個別サービスはすべきではありません。なぜならば既存クライアントに何らかの話でそれが伝わった時に、既存クライアントに対する説明がつかないからです。基本的にサービス対応は一定の取引があったクライアントに対して還元すべきものです。

もし新規クライアントに対してサービスをするのであれば個別企業からの要望に対する対応ではなく、施策として、どのクライアントに対しても一律に実施するものであるのが望ましいでしょう。また既存クライアントがメインで購入している主力商品ではなく、なかなか売上がつかないサブ的な商品購入をフックとしたサービス施策であれば、既存クライアントに対する説明もつきやすいと言えます。

サービスすることにより取引拡大を目指すことができるか

サービスすることによってこれまで以上の取引拡大を見込みことができない限りは基本的にサービス要求は受けるべきではありません。例えば昨年より30%、取引額換算で3億円の売上増につながるのに、100万円や200万円のサービス要求を断ったばかりにその話が流れるのだとしたら、それはもったいないと言えるでしょう。

サービスするということは、交渉相手に花を持たせるという意味合いも強く含まれます。「そこに決める」「Yesと言う」理由を交渉相手に持たせるという意味でも、サービスは非常に有効な手段となります。

もし取引が拡大できる見込みがあり、相手担当者に花を持たせるだけでそれがスムーズに事が運ぶのであれば、常識の範囲内で戦略的にサービス対応することはよりよい関係性を築くきっかけともなるでしょう。

理にかなったサービスか

一番判断が難しいところではありますが、理にかなったサービスかどうかという点を見極める必要があります。というのはサービス要求というのは、基本的にはクライアントと自社営業の交渉力によって決まります。交渉力とは個人が持っているネゴシエーションに関する能力そのものもさることながら、基本的にはどちらの立場が上かによって決まるものです。

例えばクライアントにとって、代替手段もなく、スイッチングコストも非常に高いような状況においては、クライアントサイドよりも営業サイドの方が交渉力が高いと言えます。逆に自社にとって競合が多くなおかつクライアントにとってどの業者を使おうが大きな差がないような状況においてはクライアントサイドの交渉力が高いと言えます。

自社の交渉力が高い場面においてはむやみにサービスすべきではありませんし、逆の場面においては積極的にサービスを活用した営業に出ざるを得ないと言えます。

企業として誠実な取引か

クライアントが極めてクレーマーなケースもありますし、自社がクライアントの顔ぶれだけを気にして声の大きいクライアントにのみ傾倒してしまうようなケースもあります。いずれの場合においても、サービス要求をすることもこれに応対することも、果たして誠実と言えるのかという点は、サービスジャッジをする上でとても重要な点です。

例えば自社の大きなミスが要因となり、先方が大きな損失を被った場合でなおかつそれが明確な場合においては、誠実に対応しないと、もしかすると裁判のようなケースに発展することがあるかもしれません。逆に揚げ足取りのクライアントにサービスをし続けることが、良き取引相手である他のクライアントに示しがつくのでしょうか?

これらは回り回って、業界や他クライアントに話が回るケースは往々にしてありますし、雇用の流動化が進む昨今、自社営業マンやクライアント担当者が、自社の評判を決める大きな要因となりえる存在とも言えます。そうした時に、企業として誠実に対応しているかどうかというのは長い目で見た時に、売上を大きく増減させる要因となりえるでしょう。

営業の心理的負荷

サービス要求の対応は、債権回収と並んで、営業マンの心理的負荷を極大化させる大きな要因です。クレーム対応の延長としてのサービス要求であれば、さらに負荷は高まります。そうした状況を長引かせるということは営業マンの心理的ストレスを大きくさせるだけではなく、他のクライアント対応が粗雑になったり、営業マンのモチベーション低下を生み、ひいては退職リスクを引き出す可能性もあります。

そうしたことを避けるために、サービス対応をさっさと終わらせるというのも一つの手段ではあります。もちろん先述のように、何かしらのサービス要求を受け入れるだけの理由は必要ですので、営業マンの心理的負荷を減らすことのみを目的としたサービス要求の受け入れは基本的にはすべきではありません。

しかしながら、それがあまりに営業負荷を高めてしまう場合はその選択肢もあるかもしれませんし、逆に「取引そのものをやめる」という強硬手段も、営業負荷を大きく下げることのできる手段であることを知っておきましょう。

終わりに

クライアントからのサービス要求を受け入れるには、何かしらの根拠や、理由が必要です。「今後の取引を拡大するきっかけにするため」「明らかに自社に非があるため」など、公正でかつ前向きなジャッジであることが望ましいということを知った上で、判断しなければなりません。

またあまりに過剰なサービス要求に応え続けていると、自社の影響度がマーケットで高まれば高まるほど、他のクライアントに対して説明でいない事態に追い込まれてしまうことも知っておかねばなりません。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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