営業マンが副業で得られる金銭以外のメリット

営業マンが副業で得られる金銭以外のメリット

営業マンが副業をするにあたり、金銭以外のメリットを受け取ることができる可能性があります。それは人的つながりという報酬であったり、スキルアップという報酬かもしれません。他にも営業とは別の職種の実績を積むことができたり、雇われているという拘束感から抜け出せる心的な充足を得ることも可能でしょう。

副業による報酬

副業による報酬とは一般には金銭を得ることですが、必ずしもそればかりとは限りません。金銭以外の副業の報酬として下記のようなものが考えられます。

人的つながりの報酬

スキルアップという報酬

心的充足という報酬

実績を積むという報酬

もちろん金銭的報酬を目的に副業をする人が一番多いですが、結果として得られるものとして様々なものがあります。

人的つながりの報酬

いわゆる人脈に該当するものです。副業としてどういったものを選択するかにもよりますが、ビジネスをするには何かしらの人と人の繋がりが生まれるものです。本業で営業マンをしているだけでは出会うことがなかった人たちとの出会いがある可能性もあります。また場合によっては副業と出会った人たちとまた新しいビジネスをすることもありえる話です。

また出会いを広げることは副業をしなくても簡単でしょう。ビジネス系の交流会などに行けば、数十枚の名刺を手にいれることはできます。しかしそのほとんどはやがて顔も思い出せなくなる人たちばかりです。そこに金銭を絡める交流をしない限りは、なかなか再度会う機会や連絡する機会を作り出せることができないという実態があります。

しかし副業で出会った人たちというのは、副業と言えどビジネスを通して出会った人たちで、金銭が絡む交流ができる人たちです。つまり二回目三回目、会う理由があり、ある種の仕事相手や顧客になりえる人たちですので、本業で出会う顧客と同じぐらいもしくはそれ以上の接点を持つことも可能な、濃い付き合いができる可能性のある人たちと人的つながりを持てるというのは、副業の大きなメリットと言えるでしょう。

スキルアップという報酬

自分がどのようなスキルを伸ばしたいかで副業を選択する人もいます。極論ですが、どのような分野においても教育を受けるにはお金がかかりますが、労働の一環で学ぶスキルは学びながらにして報酬を得ることができます。全くの逆です。もちろん資格試験のように、ある程度形式的でかつ体系的な学びを得ることができるわけではありませんが、それでも実務を通して得たスキルというのは自分自身のキャリアにおいて非常に強い武器になる可能性を秘めています。

教育の対価としての支払いがなくスキルアップできることを考えると、特定の分野における副業は金銭的報酬がなくとも取り組む価値があるかもしれません。

心的充足という報酬

営業マンとして企業に雇用されている人にとって「雇われている」という恐怖感を感じたことがある人はいるのではないでしょうか?毎月決まった日に給与が振り込まれるという安定と引き換えに、自分の身や人生を預けているという感覚を持ったことのサラリーマンは多いと思います。現に、とある人の判断一つで自分のキャリアが大きく変わってしまう可能性があるというのがサラリーマンです。

しかし、副業を通じてある程度の収入を確保できると、そういう心配が和らぐという心的充足を得ることができます。要は本業としては確かに雇われの身であり、企業に囲われている存在かもしれないが、一方で自分は自分自身一人の手で稼ぐこともできる人材であると思うことができるのです。

こういう報酬はとても大きく、自分に強い自信を持てるようになるため、本業で少しミスをしても必要以上に落ち込まなくなったり、大嫌いだった上司がいたとしても「最悪やめればいいや」と開き直った付き合いができるようになります。

実績を積むという報酬

全く実績がない人に、報酬を支払って仕事を頼むというのはとても勇気が必要です。しかし副業とはいえ、ある程度その分野において実績があることが証明されていたり、その実績を可視化したりすることができるのであれば、発注者にとっては大きな安心感になります。仮に自分が独立などを視野に入れていなかったとしても、「◯◯について、◯年間仕事をしていたことがある」という実績が自分の身を助けることになるかもしれません。

副業は、あなたの“素の営業力”が初めて測れる場所

営業マンが副業から得られるものとして、人脈やスキル、自信などがよく挙げられます。確かにどれも本当なのですが、ここでは営業マンならではの、もう一つの大きな価値をお伝えします。

それは、副業が「会社の看板を外した、自分の素の営業力の健康診断」になるという点です。少し考えてみてください。本業の営業では、商品も価格もブランドも集客の仕組みも、たいていは会社が用意してくれています。私たちが担当しているのは、その整った土台の上で「売る」という一部分。

だからこそ、どれだけ数字を出しても、心のどこかで「これは自分が売れたのか、それとも会社の看板が売れたのか」がはっきりとは分からないまま、という人は少なくないのではないでしょうか。副業は、ここに答えをくれます。自分の名前で、後ろ盾なしに、値付けから集客、納品までを一人でやってみる。

そうして初めて、看板を抜きにした自分の実力が見えてきます。ちなみに、ある調査では副業の年収は1万円以下が約6割とされていて、最初から大きく稼げるものではありません。けれども、たとえ小さな金額であっても、「自分の力だけで、誰かにお金を払ってもらえた」という事実は、本業の数字とはまったく種類の違う手応えを残してくれるはずです。

※著者の体験

私の周りにも、これを体感した人が何人かいます。同じ営業部にいたAさん(当時32歳)は、休日にWebサイト制作の副業を始め、最初の半年は月に1〜2万円ほどの小さな案件が中心でした。ですが「会社の看板を借りずに、自分の名前だけで初めてお金をもらえた」ことが本人にとって大きな転機だったようで、それ以来、本業の商談でも以前より落ち着いて話せるようになったと話していました。

逆にBさん(当時28歳)は、副業のコンサルティング案件で最初の提案が「高すぎる」と断られ続け、3ヶ月ほど契約がゼロという時期を経験したそうです。本人いわく「本業の看板がある時は感じたことのない、値段そのもので拒否される怖さを知った」とのことでした。

 

「買う側・断られる側」に回ると、本業の提案が変わる

もう一つ、営業マンが副業から本業へ持ち帰れる、とても実用的な収穫があります。

それは、「売る側」とは反対の立場を、当事者として経験できることです。営業マンは、来る日も来る日も、売る側に立っています。けれども副業を始めると、自分がお金を払って誰かに外注する場面や、逆に、自分が値付けをして「高いですね」と断られる場面に、否応なく出くわします。

この立場の反転が、とても効くのです。自分が発注する側に回って初めて、顧客が「実績のない相手に頼むのは怖い」と感じる気持ちが、身をもって分かります。自分が値付けをして断られて初めて、価格を提示された瞬間に顧客の中で何が起きているのかが、当事者として理解できる。

売る側にずっといると見えなかったこの感覚は、本を読んでも研修を受けても、なかなか手に入りません。そして、この「買い手の気持ち」を一度くぐった営業マンの提案は、不思議と押しつけがましさが消えて、相手の不安に先回りできるようになります。副業で得たいちばんの財産が、本業の商談の質を静かに底上げしてくれる。

これこそ、営業マンが副業をすることの、見過ごされがちな大きな意味なのではないでしょうか。

※著者の体験

私の同僚だったCさん(当時35歳)は、副業でデザイナーに発注する側の経験を積んだことで、本業の営業スタイルが明らかに変わった人でした。本人が話していたのは、「自分が発注者として実績のない相手に仕事を頼むとき、想像以上に不安を感じた」ということです。

それ以来、本業の商談では初対面のお客様に対して、以前よりも実績や事例を先回りして丁寧に説明するようになったと言っていました。ちょうど1年ほど副業を続けた頃には、社内でも「提案が前より刺さるようになった」と評価されるようになっていたのが印象的でした。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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