営業からコンサルに転職する方法|必要なスキルの磨き方

営業からコンサルに転職するためには

営業からコンサルに転職するためには必要なことは、まずはコンサルに転職するためにコンサルに必要な能力を知ることから始まります。そして営業マンでありながら、意識してそのスキルを自分のものにする努力をしなければなりません。一方で営業は「クライアントと継続してPDCAをまわすこと」ができますが、プロジェクト単位で動くコンサルはそれができません。従って営業からコンサルに転職する際の武器は、継続してPDCAを回した経験と言えるでしょう。

営業からコンサルに転職するために

コンサルタントは非常に人気職種です。競争倍率も高く、特に「ボストンコンサルティング」や「マッキンゼー」をはじめとした外資の戦略コンサルに転職するのは至難の技と言えます。しかし、戦略コンサルは外資だけではありませんし、戦略コンサル以外のコンサルも視野に入れた場合、絶対に転職できないというわけではありません。

営業からコンサルに転職をしたいと思うのであれば、どのような能力が必要かを理解し、営業としてどのような実績を積み、どのようなスキルを営業として身につければよいのでしょうか?

コンサルに転職するために必要な能力

コンサルに必要な能力を理解する

コンサルタントに必要な能力は下記3点です。

事実を事実として認識する力

事実の中から課題を特定する力

課題に対する打ち手を構築する力

例えば上記3点が営業マンとしてクライアントと対峙される中で備わっていく能力なのでしょうか?結論は備わる能力です。特にコンサルティング営業やソリューション営業と呼ばれる営業職のうち、一部のハイパフォーマーの営業マンは、これらの能力を極めて高い水準で有している可能性が高い言えるでしょう。

しかし営業としての資質が極めて高い人とコンサルとの本質的に違う部分が「売る」ことを目的としたソリューションと「ソリューション」そのものが目的となっている違いと言えます。例えば「事実を事実として認識する力を養う」を題材とした時、営業マンが扱う「事実」は売るために必要な事実です。コンサルが扱う事実は「ソリューションする」ために扱う事実です。

これら本質的な違いが生み出すものは取り扱う「事実」の広さと深さの違いです。

課題を特定する力も打ち手を構築する力も同じです。「売る」ことがゴールになっていることと、「ソリューション」がゴールになっているのでは根本的に脳みその使い方が異なる部分が出てしまうのは仕方のないことと言えます。

コンサルに必要な能力を営業として鍛える

では、営業マンでありながらこれらのスキルを自分の力に変えていくためにすべきことはどのようなことでしょうか?一つは営業マンとしての壁を取り払うことです。「売る」ことをゴールにするのではなく、「ソリューション」することをゴールとした仕事の仕方をすることです。一つでも多くのデータを取り扱い、売ることに執着をしないソリューションをクライアントに提供することです

もちろん営業マンとしてこれらの能力を鍛えることは可能です。ただしコンサルが集めるファクトは営業マンのそれよりも深く、コンサルが課題として取り扱う範囲は、営業が認識する範囲よりも広いのです。偏りをもたずにアウトプットに値段をつける中立性を持ったコンサルだからこそ、そういった働き方ができると言えます。

例えば、クライアントの売上ローデータを自由に抽出できる営業マンが世の中にどれだけいるでしょうか?クライアントの人員実績をクライアントに依頼して入手できる営業マンが世の中にどれだけいるでしょうか?3カ年計画の入手は?広告宣伝費の内訳は?

コンサルタントはこれらを常日頃扱い、膨大なデータの中からソリューションすべきファクトを見つけ出します。そうした取り扱ったデータの数だけ、彼らの論理構成力は磨かれます

営業としての実績

一方でコンサルが持っていないものはコンサルタントとの「継続的な付き合い」です。もちろんコンサルにも継続して取引をするクライアントはいます。しかし彼らが必要とされるタイミングは、何かを「始める時」と、何かを「変える時」です。

プロジェクトとして「始めるところまで持っていった時」や「変わった時」に、そのプロジェクトは終わりを迎えます。同じクライアントでも別のプロジェクトにアサインされ継続運用された結果、自分たちがどのような価値を提供したかを見ることはできません。「PDCA」の「PD」が終わったタイミングで彼らのプロジェクトは終了します。

一方で営業マンは「PDCA」を何周も回転させることでクライアントとの取引を継続させます。これはコンサルタントはしたくてもできないことです。つまりコンサルをしていても「継続的な運用」や「現場レベルの改善の積み上げ」を実地で体験することはありません。

逆に言うと、そういった観点でクライアントと関係性を構築でき、継続したPDCAを伴走できる営業マンはコンサルとしての希少性が高いと言えます。

つまりコンサルに転職しようと思う営業マンが、転職時に武器とできることは「売れた」「取引を拡大した」ということだけでなく、いかに「継続して」クライアントの業績改善や課題のソリューションにあたることができたか、という点と言えるでしょう。

今の商談で「売るためではない情報」を、一件だけ取りにいく

営業からコンサルへ移るために必要なものは何か。そう問われると、多くの人はまず、志望動機の磨き方や、転職エージェント選びを思い浮かべます。けれども、本当の準備は、もっと手前――今の自分の商談のなかにあります。

コンサルと営業の決定的な違いの一つは、扱うファクトの深さです。コンサルタントは、クライアントの売上のローデータ、部門ごとの離職率、三カ年計画、広告宣伝費の内訳。こうした奥のほうにある数字を、日常的に手にしています。では、そうした数字を出してもらえる営業マンが、いったいどれだけいるでしょうか。ほとんどの営業は、クロージングに必要な情報しか取りにいきません。だからこそ、ここに絶好の練習の場があるのです。

次の商談で一件だけ、売るためではなく、相手の課題を正しく診断するために、ふだんは踏み込まない数字をお願いしてみる。「より精度の高いご提案をしたいので、差し支えなければ、この実績データを見せていただけませんか」。こうして売り込みから一歩離れ、事実を集めにいく動き。これがそのまま、コンサルの仕事の縮図になっています。

転職活動を始めるよりも先に、今の現場で「売らない情報収集」を一度でも経験しておくこと。これが、机上の志望動機よりも、ずっと確かな準備になります。

 

※著者の体験

実際の転職事例

私自身が、転職エージェントを運営していたことがあり、私自身も約5年間にわたりおよそ3000名の転職相談にのり、10名以上の営業からコンサルへの転職・キャリアチェンジの実現をご支援していました。総合系・戦略系・IT系が多く、大手からブティックまで幅広いご紹介をしていました。

象徴的だったのは多くがWebテストとケーススタディでお見送りになる

半数以上の候補者は、業務経験が全く関係のない地頭のチェックでお見送りになっていました。どれだけよい経験・どれだけ実績を積んでいたとしても、そもそもの土俵にすら立てない人が半数以上、というのが実態です。

ただしこれについては悲観する必要がありません。なぜならケーススタディにしろWebテストにしろ、事前に企業やエージェントから一定の案内があります。つまりお見送りになる人の大半は「準備不足」につきます。

事前にどういった問題が出るかわかっていながら点が取れない。つまり準備するモチベーションがないもしくは準備に費やす時間を確保できない。これがお見送りの真因となります。

エージェントとしても、本人がねん出すべき時間・やる気についてはコントロールしようがありませんでした。

こちらからお願いしていたのは少なくとも土日のどちらかを丸一費やして準備・対策に充ててくださいとお願いしていました。

Webテストにしてもケーススタディにしても「面食らう」ことによる失点が多く、冷静に解き方やパターンさえ心得ていたらそれほど難易度が高いものではないからです。

日常業務においては、営業としてどう経験を積むかという点が肝要ですが、差し迫った場面で短期集中でクリアすべきは学生時代のように一夜漬けでいいのでとにかく準備をやり切ること。24時間どう過ごすかで将来が変わると考えたら、しっかりと取り組んでいただきたいポイントです。

 

「売れた話」ではなく「因果の話」を、A4一枚で再現できるようする

もう一つ、転職の場面でじわりと効いてくる準備があります。それは、自分の過去の成功案件を一つ選び、その出来事を「因果」で書き直しておくこと。

営業の面接では、つい「これだけ売りました」「取引をここまで広げました」という結果を語りがちです。けれども、コンサルの選考で見られているのは、売った量そのものではありません。「あなたは、どの事実を見て、そこからどの課題を特定し、どの打ち手を選び、結果として、どの数字がどう動いたのか」。これを筋道立てて説明できるかどうかなのです。

ですから、いちばん手応えのあった案件を一つ取り上げて、その流れを、事実、課題、打ち手、変化した数字、という順番でA4一枚に再構成してみてください。やってみると、意外なほど「なんとなく売れた」「気合いで取れた」としか書けない案件が多いことに、気づくはずです。逆に、この一枚を、きちんと因果で埋められる案件を二つ三つ持てたなら。それは、継続してクライアントの業績改善に伴走してきた経験を、コンサルの言葉へ翻訳できた、ということです。

売れた話を並べられる人は大勢います。しかし、自分の打ち手と結果の因果まで語れる営業マンは、ぐっと少なくなる。その少数に入れるかどうかが、分かれ目になります。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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