会議進行役(ファシリテーター)とは|荒れた場をさばく進行のコツ

会議進行役に必要なスキル、コツをまとめました。生産性を高め結果をだ明日のに求められる会議とはどのようなものなのかについての記事です。

はじめに

「次の会議の進行役をお願いします。」と上司に言われたら、

あなたはどうしますか?

二つ返事で引き受けることができますか?

「ギスギス、ピリピリ会議」になったら、「時間までに結論に至らなかったら…」

少し躊躇する方、不安に思う方がいるのではないでしょうか。

今回は、絶対にいい会議にできるポイントを紹介します。

いい会議とは?

まず、抽象的な表現の「いい会議」とは、

どういったことかを具体的に理解しているかが重要です。

時間通りに進むこと

和やかなムードで意見が飛び交う

なにかしらの結論が出ること

「あなたが考える理想の会議像は?」と問われるとこのような内容の回答が想定されます。

ここにもうひとつプラスしておきたい大切な項目、それは会議参加者の「納得感」です。

「結論に反対ではないけれど、なんとなく全面的に賛成できない・煮え切らない」

「上司の一声で結論が左右される」などダメな会議でありありがちです。

このような会議では納得感が参加者には生まれません。

無駄がなく、参加して良かったと「参加者全員」が感じることができると

「いい会議」と言えるでしょう。

たとえ拘束時間が長い会議だったとしても、

議論を重ね、内容が充実していれば、有意義な時間を過ごしたと感じます。

逆に、議題とは違う方向へ話が進んでだらだらしたり、

ギスギスした雰囲気のまま長時間拘束ともなればフラストレーションばかりが溜まり、

会議に対する印象はネガティブになるでしょう。

また、いい会議になるのか、はたまたダメな会議なるのか、

鍵を握っているのは「進行役」の存在にあることも知っておく必要があります。

では、「いい会議にする・納得感を得る」ために、

「進行役」としてはどうしたらよいのでしょうか。

ここからは、進行役(ファシリテーター)について説明します。

進行役(ファシリテーター)とは?

合意形成会議の進行役のことをファシリテーターと言います。

ファシリテーターは通常の会議の議長とは違い、

仕切ることやリードするようなことはしません。

中立な立場で、参加者の意見を引き出し、煮詰まった際にはサポートに回ります。

会議スタート直後に「意見のある方は挙手をどうぞ。」のような台詞は絶対に口にしません。

※合意形成会議

参加者全員の合意を図りながら、よりよい結論を皆で創りあげていく会議のこと。

特徴として、「決める」のではなく「創りあげる」ことがポイントとなっています。

従来よく行なわれている「多数決型会議」は、最後にいくつかの案の中から「決める」ことが目的。

日本では、2000年以降よりビジネスシーンで用いられ、最近では多くの企業がこの合意形成会議を取り入れているようです。

では、ここからは実践的な話をしていきましょう。

合意形成会議の進行方法

  • 会議スタート後、議題について各自考える時間を作る。その際、大きめの付箋を多めに配り、思いついた意見を1枚1枚に思いつくだけ記入してもらう
  • 記入終了後、回収しホワイトボードや模造紙に全員で貼り付ける
  • 参加者全員でその付箋の内容を確認後、類似している意見ごとに付箋をグループ化する
  • その付箋のグループ毎に意見をまとめ、見出しを付ける

準備はこれで終了です。

この準備の中にも大切なことが隠されています。

まず、人前で発言が苦手な人でも、自分の意見が伝えられることが挙げられます。

「上司を前にすると言いにくい、他の人にどう思われるか…」など、余計な心配はいりません。

自由に書ける(伝えられる)ことが大切です。

次に、全員で立ち上がって作業することも大きな意味を持ちます。

グループ分けをしながら、近くの人と相談して作業することでアイスブレイクになり、

このあとの話し合いにいい効果が期待できます。

付箋の見出し付けが終わってからが、ファシリテーターの腕の見せ所です。

ここからどう話を広げて、意見を引き出し、まとめていくのかがとても重要で、このファシリテータースキルを

「ファシリテーション」と言います。

ファシリテーションとは?

会議の議論や進行を円滑にし、会議の目的を達成するためのサポートスキルのことです。

具体的に、合意形成会議の場合は参加者全員の納得を得ること。

意見、ブレイン・ストーミング型会議の場合は意見を引き出すためのスキルのこと。

必要とされるファシリテーション

以下、3つのビジネススキルがあると、円滑に会議が進行できます。

現在、自分にそのスキルがあるか、何が足りないかを確認してみてください。

タイムマネジメント

時間をコントロールし、結論を導くいい流れをつくる

チームワークマネジメント

自由な発言ができるようにいい空気をつくる

アイディアマネジメント

発言を引き出す質問をする

特に③のアイディアマネジメントの質問力が重要です。

では、どのようなことをして参加者の意見を引き出したり、まとめたりするのか説明していきます。

まずは、「拡大質問(オープンクエスチョン)」をしてみましょう。

先ほど記入してもらった付箋を参考にして、

「この意見に対してどのように思いますか?」など

答えが出やすい質問をし、このあとに繋がるように促します。

異論や懸念を洗い上げる為にもここで多くの意見を引き出しましょう。

次に、「限定質問(クローズドクエスチョン)」をしてみましょう。

まとめた付箋の内容で「意見AとBどちらの方が効果が高いと思いますか」など

答えを限定し、会話の流れを思う方向に導きたい際に切り出してみましょう。

さらに、「示唆質問」をしてみます。

「もし深刻なリスクがなさそうだということであれば、意見Aを進めるという形で良いでしょうか?」や

「Fの案件がクリアになれば、意見Bを採用したい方が多いということですね?」のような

問いかけにします。

最後に、「まとめの質問」をしましょう。

「意見がまとまってきたので、試験的に意見Aを実働させる方向で、皆さんどうでしょうか?」

「意見が絞られてきたので、皆さんで意見をまとめてください」

以上の4つの質問をすることで、会議によくある不満は解消され、

「結論に反対ではないけれど、なんとなく全面的に賛成できない・煮え切らない」や

「上司の一声で結論が左右される」ことはなくなります。

会議参加者の「納得感」は、結論から生まれるのではなく、会議中のプロセスから生まれると

思って会議に臨んでください。

ファシリテーターの注意点

話し方、特に語尾に気を付けて話してください。

ファシリテーターは、意見を引っ張らない・仕切らないが大前提であります。

同じ内容のことを話したとしても、断定的な言い回しをすると強制された感じが出てしまいます。

例

意見AとBと比較して、意見Aの方が良いですね。

意見AとBと比較して、意見Aの方が良いと私は思うのですが…どうでしょうか?

このように最後に一人称を含ませると、前に出すぎず印象が良いです。

会議でギスギス、ピリピリした雰囲気になってしまう原因は

「会議は意見を言う場」と思っている方が多いのが要因です。

自分の意見を通したい、理解してもらいたい気持ちが強いからこそ言い合って口論になるのです。

本来、会議とは「自分以外の意見に耳を傾ける場」です。

他の参加者の考えを聞き、それに対し自分の意見も深めることができます。

ベースは「言う」のではなく「聴く」ことなのです。

基本的な点にはなりますが、下準備も忘れないよう留意しましょう。

会議当日までに必ず参加者全員にアジェンダと資料を作成し、必ず配布してください。

そうすることで、会議の概要やタイムスケジュールを事前に知ることで、意見が出やすくなったり、

会議そのものが円滑に進みます。

今回、ファシリテーターとして会議に臨むことが初めての方は、会議の進行内容で自分なりに

台本を作ると万が一、頭が真っ白になった場合でも対処できるかもしれません。

冒頭あいさつ台本 例文

本日は、お忙し中お集まりいただきありがとうございます。

ただいまより、来春プロモーション「〇○○」についての戦略会議を始めさせていただきます。

進行役を務めさせていただく○○です。

よろしくお願い致します。

まず、この会議の目的は…(アジェンダの内容に沿って)

本日の会議は、〇時間を予定しております。

皆さんお忙しいと思いますので、時間を厳守したいと存じます。

どうぞご協力をお願いいたします。

※会議にルールを持たせるようであればこの時点で伝えるようにしてください。

(発言時の挙手の有無など)

終わりのあいさつ台本 例文

そろそろ終了予定時刻となりました。

本日のテーマについての意見がまとまってきたので、試験的に意見Aを実働させる方向で、

皆さんどうでしょうか?

本日の詳細については、議事録としてまとめ次第、のちほどメールにて送信させていただきます。

貴重な意見や提案も数多くあり、とても参考になりました。

本日は長時間、ご協力くださいまして誠にありがとうございました。

いい会議は、「始まる前」に半分決まっている

付箋を使った進め方や、質問の使い分けは、いずれも会議が始まってからの技術です。ただ、会議の成否は、実はその手前――設計の段階で、半分がすでに決まっています。どれだけ進行がうまくても、設計が甘い会議は、必ず迷走します。

設計で決めておくことは、三つです。一つ目は、「そもそもこの会議は必要か」。単なる情報共有や報告なら、集まる必要はなく、メールやチャットで足ります。人を一時間拘束するコストは、想像以上に大きいものです。二つ目は、「この会議のゴールは何か」。結論を決める会議なのか、アイデアを広げる発散の会議なのか、認識をそろえる共有の会議なのでしょうか。ゴールの種類が曖昧なまま始めると、発散したい人と決めたい人がすれ違い、噛み合いません。三つ目は、「誰を呼ぶか」。その議題の当事者と、決められる人(決裁者)を必ず入れ、逆に関係の薄い人は呼びません。決裁者がいない会議で一生懸命まとめても、「持ち帰って確認します」で振り出しに戻ります。目的・ゴール・参加者。この三点を先に固めておくだけで、当日の進行は驚くほど楽になります。進行役の腕の見せどころは会議中ですが、勝負の半分は、始まる前についています。

荒れた場を、どうさばくか──困った参加者への対処

会議には、ほぼ必ず「進行を難しくする人」がいます。中立を保つのがファシリテーターの原則ですが、中立とは、無秩序を放置することではありません。場をコントロールする具体的な技を持っておくと、慌てずに済みます。

代表的な四タイプへの対処を挙げます。話しすぎる人には、「ありがとうございます。ぜひ他の方のご意見も伺いたいのですが」と、感謝でいったん受けてから、他へ振ります。黙っている人には、名指しでやさしく「〇〇さんは、この点どう感じますか」と水を向けるか、そもそも全員が付箋に書く仕組みを使えば、発言が苦手な人の意見も拾えます。否定ばかりする人には、否定を封じるのではなく、「その懸念は、具体的にはどこですか」と、否定を検討すべき論点に変換します。話が脱線する人には、「面白いお話ですね。それは別途にして、今日の論点に戻すと」と、否定せずに軌道を戻します。共通するのは、誰も否定せず、しかし場の主導権は手放さない、という姿勢です。参加者の意見を引き出すことと、場が崩れるのを防ぐことは、両立します。中立とは、流されることではなく、全員が話せる秩序を保つことなのです。

※著者の体験

「中立とは、無秩序を放置することではない」——これを一番痛感したのは、私が営業組織の改善に入って、月次の営業会議を立て直したときでした。その会議には、決まって最初に長く喋る営業部長がいて、彼が10分ほど持論をぶつと、若手はもう口を開かない。私が最初に入った回も、案の定その部長が話し始めて、空気がスッと固まった。
そこで私は「ありがとうございます、部長。ぜひ〇〇さんの現場感も伺いたいのですが」と、感謝でいったん受けてから、名指しで若手に振りました。
すると、それまで黙っていた入社2年目の子が、ぽつりと現場の実態を話し始めた。もう一つやったのが、否定ばかりする中堅への対応です。彼はどんな案にも「それは無理だと思います」と返すのですが、私は封じるのではなく「その懸念、具体的にはどこですか?」と、否定を検討すべき論点に変換させた。
すると「いや、実は運用のこの一点が」と、むしろ一番役立つ指摘が出てきた。誰も否定せず、でも場の主導権は手放さない。この二つを両立させた瞬間、同じメンバー・同じ議題でも、会議の密度が明らかに変わりました。

会議は「決めて終わり」ではない──実行に繋ぐ締め方

議事録をまとめて送る、というところまでは押さえられていました。ただ、いい会議の価値は、決まったことが実行されて初めて生まれます。どれだけ盛り上がって結論が出ても、誰も動かなければ、その一時間は消えて無くなります。だから、会議の最後の締め方が決定的に重要です。

終了予定時刻の前に、必ず三点を口頭で確認します。「何が決まったか(決定事項)」「誰がやるか(担当)」「いつまでにやるか(期限)」。この三つを、その場で全員に読み上げて握ります。「じゃあ、これでいきましょう」で終わると、各自の記憶が微妙にずれ、後で「言った・言わない」が起きます。担当と期限が宙に浮いた決定は、実行されない決定と同じです。議事録も、議論の一部始終を書き連ねるより、この決定事項・担当・期限の三点が明確であることのほうが、はるかに大事です。そして、次の会議の冒頭では、前回決めたアクションの進捗をまず確認します。この「やりっぱなしにしない」仕組みがあるだけで、参加者は「決めたことは追われる」と理解し、会議での決定が本気になります。会議を「やった感」で終わらせないための最後のひと押しが、締めの確認です。

※著者の体験

「担当と期限が宙に浮いた決定は、実行されない決定と同じ」——これは、私が数えきれないほどの"やった感で終わる会議"を見てきて、骨身にしみた結論です。
以前入った組織では、1時間の会議で議論は盛り上がり、いい結論も出るのに、翌週になると誰も動いていない、ということが常態化していました。原因を見ていくと、毎回「じゃあ、これでいきましょう」で締めていたんです。
各自の記憶が微妙にずれて、後で「言った・言わない」が起きる。そこで私が入れたのは、終了予定時刻の前に必ず「何が決まったか・誰がやるか・いつまでにやるか」の三点を、その場で全員に読み上げて握る、という一手間だけでした。
「じゃあこの件は〇〇さんが、来週水曜までに、稟議の材料を用意する。これで合ってますか?」と口頭で確認して席を立つ。
たったこれだけで、実行率がまるで変わった。さらに効いたのが、次の会議の冒頭で「前回決めたアクションの進捗」をまず確認することでした。この「やりっぱなしにしない」仕組みが回り始めると、参加者が「決めたことは追われる」と理解して、会議での発言や決定が本気になっていった。
議事録に議論の一部始終を書き連ねるより、決定事項・担当・期限の三点が明確なことのほうが、はるかに大事なんです。

そもそも、会議は何を生み出す場なのか

ここまで、会議前の設計、荒れた場のさばき方、実行への締めを見てきました。最後に、会議という営みそのものが、いったい何を生み出しているのかを考えてみたいと思います。

会議の目的は「結論を出すこと」だと、たいていの人が考えます。しかし、参加者の納得は結論そのものではなく、会議中のプロセスから生まれる、という指摘は、実はもっと深いことを言っています。なぜプロセスが納得を生むのでしょうか。それは、人は「自分が関与して決まったこと」しか、本気では実行しないからです。上から降ってきた結論には、渋々従うだけです。けれど、自分の意見が反映され、自分も創り手の一人になった結論は、「自分たちが決めたこと」として、実行の熱が宿ります。つまり、会議が本当に生み出しているのは、「決定」そのものではありません。参加者一人ひとりの中に生まれる、「これは自分事だ」という当事者意識――コミットメントのほうなのです。

そう捉え直すと、会議というものの正当性が、はっきり見えてきます。同じ結論を得るだけなら、トップが一人で決めて指示するほうが、圧倒的に速いのです。会議に大勢を集めて一時間議論するのは、効率だけ見れば、明らかに非効率です。それでもあえて人を集める価値があるとすれば、それは「関与を通じて、実行の担い手たちの当事者意識を育てる」という一点にしかありません。決定の速さと引き換えに、実行の速さと確実さを買っています。上が決めて指示すれば決定は一瞬ですが、腹落ちしていない現場は動きが鈍く、施策は形骸化します。逆に、時間をかけて全員で創った結論は、決まった瞬間から現場が自走します。会議に時間を使うことは、非効率どころか、実行への投資なのです。

だとすれば、逆のことも言えます。実行を伴わない決定、つまり「決めるだけで、誰の当事者意識も要らない」議題なら、そもそも会議を開く意味はありません。それはメール一本で指示すれば済む話です。会議という、人の時間を大量に奪う高コストな場を、あえて開きます。その唯一の正当な理由は、参加者に「これは自分たちが決めたことだ」という感覚を持って帰ってもらうことにあります。ファシリテーターが本当に作っているのは、ホワイトボードの上の結論ではなく、部屋を出ていく一人ひとりの胸の中にある、その当事者意識なのだと思います。いい会議とは、いい結論が出た会議のことではなく、参加者全員が「自分が決めた」と思って動き出す会議のことなのです。

営業部長の役割について知見を広げたい方はこちら。現場と経営をつなぐ視点が持てます。

→ 営業部長の役割とは?営業部長の仕事はこの4つだけ!|「大きい課長」で終わらないために——営業部長だけが背負う仕事の輪郭

まとめ

「いい会議」にすることは簡単なことではありません。

しかし、とても難しいことではありません。

あなたひとりの力で会議をするのではなく、参加者全員で創り上げていくものです。

ファシリテーターとして必要なファシリテーションを身に付けることで、

会議の質が目に見える形で変化していくことでしょう。

会議の内容ももちろんですが、参加者の表情や声色も変わっていくと思います。

あなたの会議に参加して良かったと参加者全員に思われる「いい会議」にしてください。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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