Claudeという良き友がGASという憧れのおっさんを連れてきた話
何度もこのコンテンツの中で触れているけど、営業組織では多くの"情報"を扱っている。
この情報をどう取り扱うかは業績に直結する。
・発注ニーズが高い顧客
・今営業が取り掛かっている案件
・来月の案件の積み上がり状況
個でも組織でも、意志決定や業務対応にあたって、現在値や現在の情報が届くべき人に届くべきタイミングでちゃんと手元にあるのか。
改めて言語化して検証する機会はそんなにないけど、まとめてみるとそりゃそうだろの塊である。
営業組織で扱う情報というのはしこたまあるが、カテゴリすると(というか見る角度は)実はそんなに多くない。
誰が(どの営業の)
誰に(どの顧客の)
どちらかもしくはそのクロスから始まる情報を積みあげただけで大半の情報をカバーしていると言える。
そしてこの情報を取り巻く課題については、
・「点在している」ゆえに「ブラックボックス化」
・情報キャッチのタイミングの問題
この二点がメインと思ってて、意外と解決したい方向性についてもパターンは限定的。
付け加えると「負荷」という工数の話が次点で課題に上がるのかな、という印象。
そして、ビジネスサイドでこれらを解決しようと思った時に、どうしてもテクノロジーの壁があった。
Techでの解決策に頼らざるを得ず、セールスフォースのようなSFAが、あの単価感をものともせず広がったのは課題感の大きさの証左なのかなと思う。
一方で、それらのSFAは、入力負荷や導入/浸透という別の爆弾も持ってきていて、営業なら誰もが思ったことがあるはずだけど「勝手に情報反映できるようにしてくれよ」は念願だった。
昔から、これらの情報統合や情報可視化、工数削減とどのテーマにおいても
GAS(Google Apps Script)やRPAというツールがあることは知っていた。だけど、僕には少し縁遠く、ここでもやはりテクノロジーの壁は大きかった。GASもRPAも昔からあった。でも触れる人が限られていた。それが今、壊れた。
AIが、GASを市井の人が使える状態にしてしまった。
2026年現在、僕は色々な顧客環境に置いて合計100以上のGASを組み、あらゆる業務の自動化や適切なタイミングでの情報のデリバリー、情報統合というプロジェクトを数多実装をすることができた。
ひとえに、ClaudeはじめとしたAIと要件を詰めて、AIの指示通りの実装をしただけである。最近はClaudeCodeを用いてスクリプトの編集すらAIにお願いできるレベル感まで到達できた。
しかしこれが誰でもできるかというと、意外とそうでもないかもなというトラップも多い。まず、何よりも胆力。一撃で成功するパターンは少なくトライアンドエラーの中でGoalを目指す必要がある。
時にAIの指示が混乱したり、エラーがループして20分前にもこれ同じ指示もらって同じエラー出たけどみたいなセッション内の記憶の弊害が邪魔をする場面も。
そういう意味で胆力がないと、できない。
あとは、「自分が何をしたいのか」を正しくAIと会話してシャープにする必要がある。
何の情報をどこに集約するのか、そのキーは何を軸にするのか。
主従、つまり正のデータを何として、付随するデータはどれか。
運用に乗った後に順番はどうする?必ずしもAIがこうしたテーマを論点として扱ってくれるとは限らない。こちらが主導してそれらを論点として扱いたいとAIに上申する必要がある。
するとAIは「鋭いですね」って言ってくれたりする。
みたいな様々な論点が後から後からどんどん出てくるので、今何が問題でどうすべきかについて正しく認識し、会話するというスキルも必要になる。
でも、それを乗り越えた果実はかなり大きい。
何度も申し上げている通り、文字起こしという商談の中身を可視化できるようになったことは殊更大きい。それまで同席をしない限りは営業メンバーからの報告に頼らなかった、商談の中身を労することなく取得できるようになった点。
これはもはや営業現場におけるパソコン導入ぐらいの革命と思っている。
それだけではない、メール、スケジュール、提案書、案件ステータス、どこにあろうがWeb上からアクセスできる限りは事業としての情報統合と可視化はできる環境になった。理論上は。
但し書きをつけたのには理由があって、会社のセキュリティ環境、営業現場に与えられているパソコン権限という物理のブロックもあれば、イレギュラーケースが多すぎることが実装難易度を格段にあげることも。
そもそもベースとなる業務の進め方がないようだと、実装後の効果が薄くなってしまうケースもあった。
DXというキーワードがバズりはじめたころに、DXが独り歩きするような警鐘の投稿もいくつも見た。
あまりにキーワードとしてもてはやされて、DXしていくことが目的になっていて、手段としてのDXになっていないという類のものである。
僕は一貫して、AIが目的になっていいじゃん。派である。
そもそもAIを使えていないことがリスクになりつつあると思っていて、課題ドリブンで今の延長にAIをどう置くかの設計よりも、これだけのBIGウェーブなら取り残されないようにまずは波に乗ることだけ考える。
その後で業務フローや運用や仕事の進め方をアジャストさせるでも、長い目で見ると対価は大きいのではないかな、と思っている。
上場企業クラスになると、内部統制などの観点含めてそう簡単じゃないことはわかっているけど、リテラシーとか、スイッチングコストとか言っている場合か、と思ってしまう。
話しを戻すと、GASはAIとの相性が最強に良い。
GASは決められたとおりに確実に動き、遊びの余裕はない。そして得意なのは情報を取得したり移動させたり規則性のある情報の加工。
AIは情報を取得したり移動させるということにそんなに強くない。ただし情報の加工や生成に鬼のような強さを発揮する。
組み合わせることでお互いで強みと弱みを補完してくれる。
GASは情報を動かす。決められた通りに、正確に。
AIは情報を加工する。選別して、翻訳して、意味をつける。
この2つが組み合わさると何が起きるか。
「情報が、勝手に流れ出す」
meet終了の10分後に商談の要約がSlackに飛び、案件の進捗としてスプレッドシートに反映され、マネージャに介入すべきアラートとしてスマホ通知が届く。
必要な人に、必要な形で、勝手に届く。
営業における情報の問題は取得でも分析でもなく、流れないことであり、届かないことであり、見えないことである。
どうやって導入していく?という議論自体がもう遅れを取ってる可能性まであって、まず作ればいいじゃん。いつか近いうちに営業組織のKPIに情報の流通量と流通速度という指標モニタリングが入る世界まである。
今すぐまずは自分のローカルでトライしてみてあかんかったら声かけてよ。と思っている。
