RFP(提案依頼書)? 書いてみな一回。結構飛べるからおススメ
一定の規模の顧客や一定の規模の案件を扱うようになってくると、コンペやバッティングが普通になる。
特に上場企業やそれに準ずる企業においては、発注者の個人の裁量で発注先選定をすることは、かなり大きな内部統制のリスクとされ、複数の案件を見比べた上で、発注承認のプロセスと根拠を明示的に業務に組み込む必要があるからだ。
かなりお作法的に社内ルールを守るため、既に発注先は内定しているものの出来レース的に相見積もり回収のための噛ませ犬としての商談対応をしていたケースも、営業からは気づきにくいだけで実際はあるはずだ。
発注側の立場に立って考えてみてほしい。複数の業者から様々な提案を集めるために、一回一回ヒアリングを受ける。きっちりと情報を吸い上げて、求める提案を作りこむための情報取得をしてくれる営業ばかりだとありがたいのだが、実際はそうではないケースも多いし、何より、めんどい。
そこで発注者はRFP(提案依頼書)を用意する。
簡単にいうと、RFPとはこの内容を満たした上で提案してくれというオーダーを一覧化したもの。項目と内容についての記載がある。
予算は〇万円程度であるとか、提出日は〇月〇日までという要素は当然入っているし、中には形式を指定(pptx,Wordなど)するケースもある。
予算や提出日が“項目”
〇万円程度や〇月〇日が”内容” に該当する
そして、RFPの本質はこれらの条件面に近しい内容はほんの一部のケースの方が多い。
どちらかというと、RFPは「求めている機能要件」や「自社が捉えている課題」という提案の中身にそのまま使われる素材が大半が占めている。
このRFPを通じた発注を標準としているのが、より高い品質と低価格での発注を求められ、その決定プロセス透明性を求められる自治体や行政である。
例えばとある自治体で公募されているRFPは
テーマは「人口減少対策および定住移住促進にかかる事業企画・提案等の業務」
・提案募集要項(PDF
・仕様書(PDF
・・・
などファイルだけで7つのファイルの提出を求められている
これは、全て事業者に対する提出要件を定めたものである。この提案募集要項/仕様書こそが、RFP本丸、と思ってよい。
読み進めると具体にたどり着く。
事業目的達成のためには、行政のみならず、民間のアイデア・ノウハウを活かしながら取り組むことが効果的と考えられることから、(中略) 必要がある。そこで、次の3つの業務を委託する。
・ ラウンドテーブル(立場の違う複数人で、自由にアイデア出し・意見交換ができる場)の運営
・ ラウンドテーブルで出た意見を基に事業目的の達成に寄与するプロジェクトの企画・立案の支援、実証実験の実施
・ 上記で実施したプロジェクトに係る報告会の実施
自治体RFP
要はこの実行そのものが貴社ができるということを説明し、証明してくれという提案依頼である。
そして、絶対に提案の中に含めなければいけないのが
(ア) 仕様書に基づく具体的な実施計画
(イ) 業務実施体制
(ウ) 見積金額
この(ア) 仕様書に基づく具体的な実施計画において、オリジナリティや独創性、安全性や実現可能性、また、本題の「人口減少対策・定住移住促進」を解決していくための運営事務局としての自社の価値を伝えていくのか というのが提案の価値となる。
そして下記が、提案の評価ポイントである
(提案内容)
事業趣旨を理解した提案であるか。 15点
地域性(中南部地域・北部山間地域)を理解した提 案であるか。 10点
次年度以降、関係事業者等が自走又はそれに近い形で実施で きる提案であるか。 15点
本業務の運営に必要な専門的知識・技術を有するか。 10点
仕様書中「1業務の委託内容」にて示した①②以外の、事業 目的の達成に資する有益な追加プロジェクトがあるか。 10点
仕様書中「1-⑴ラウンドテーブル」で示した事業目的の達 成に資する有効なラウンドテーブル参加者の提案があるか。 10点
(業務実績)
これまでに類似の業務を実施した実績があるか
(実施体制)
業務を迅速かつ的確に実施することができる体制であるか
・
・
・
頭をかなりクリアな状態で読み込まないと、理解できない。
少なくともこの提案を検討する段階において、20回以上立ち戻るべき内容と言える。
そして、冒頭の問いに戻る。顧客の発注要件はここまで細分化することが可能と言える。あなたは顧客の発注要件をこのRFPに置きなおすことが可能であろうか。
実はほぼ全ての内容はヒアリングを通じて確認することが可能である。もちろん顧客が即答できない内容の方が多い。そもそも答えを用意していない項目の方が多いのである。
しかし、では顧客が回答できたらヒアリングでこれらを網羅的に確認し、評価基準に落とし込むことができるのか。そもそも、今回顧客が本当に実現したいことを寸分の狂いなく書けるのか。
「顧客視点を持て」「課題を深掘りしろ」は言えても、どこまで理解できたら合格なのかが定義されない。RFPを書けるかどうか、はその答えになっている。
そしてRFPの作成は顧客への問いでもあるという点で非常に有用である。
RFPを一緒に作る過程で、顧客自身が言語化できていなかった要件が浮き上がってくる。営業のヒアリング力の話であると同時に、顧客の思考整理の話でもある。実際は一緒に作る作業である。
もし仮に、あなたが顧客と一緒にこのRFPを作った立場の人間であるとする。その上でこのRFPに参加する一事業者だとする。
顧客の要望の解像度としてはどうだろう?
RFPを見て初めて概要を理解する他の事業者に負けるということがありえるだろうか?
それが答えだと思う。
実際にRFPを書くということがGoalではない。
営業として顧客のRFPを書けるぐらいの理解度があり、かつその内容を顧客と合意できるのであれば、他の事業者のスタートがあなたにとってのGoalになる。
号砲が鳴ってRFPが競合先にオープンになった瞬間にスタートからGoalまで一気に飛べるからオススメ。
