value proposition(バリュープロポジション)とは|3Cで見る提供価値

value proposition(バリュー・プロポジション)とは?使われ方や意味や活用例などについて

value proposition(バリュー・プロポジション)とは「1.競合にはできない2.顧客が求めている3.自社の強みが活かされた」顧客への提供価値のことです。ただし、その使われ方は広がりを見せており、大きな文脈の中で、どの観点からどのような意味で使われているかを理解することが大切です。実際に使われている例などを踏まえて、value proposition(バリュー・プロポジション)の理解が深まれば幸いです。

1.value proposition(バリュー・プロポジション)とは?

value proposition(バリュー・プロポジション)とは「1.競合にはできない2.顧客が求めている3.自社の強みが活かされた」顧客への提供価値のことです。

顧客が自社の物品やサービスを購入するということは、一定の価値を顧客が感じたからですが、そこにはどのような提供価値があるかということを理解することが、自社のvalue propositionを定義することにつながります。

value propositionを理解する上で知っておきたい3Cについて

value propositionを理解するために知っておかねばならないのが、3Cというフレームです。ビジネスの世界において極めてポピュラーな「考え方を整理するための手段の一つ」で、一般的なフレームワークの一つです。

3Cは三つのCから始まる単語の頭文字によって構成されています。

  • customer(顧客・市場)
  • competitor(競合)
  • company(自社)

この3Cで整理した時に「顧客が求めていて」、「競合が真似できない」「自社の強み」を活用した提供価値こそが「value proposition」と定義されるべきものになります。

2.value proposition(バリュー・プロポジション)の活用例

一般的に、value propositionを考える上で、非常に困難な部分が「競合に真似できない」部分をいかに作り上げるかという点になります。競合と一言で言っても、同じマーケットにおいて競合しあう明確な競合もいれば、潜在的競合や代替品の脅威という意味での競合も存在します。

前者の事例でいうと、Docomoの競合はauでありソフトバンクですが、後者の事例でいうとフジテレビの競合は日本テレビやTBSだけでなく、スマホ上のコンテンツやyoutubeも競合でしょうし、広告費の流れ先という意味の競合でいうと、ありとあらゆるネット系媒体も競合、ということになります。

競合を駆逐することのできる競合優位性

自社にしか提供できない強みで、かつ競合が持つことのできない強みとして下記のようなものが考えられます。

  • 立地や交通の便
  • ブランド力
  • 価格
  • 技術
  • 権利や特許
  • シェア

例えば、立地や交通の便が圧倒的に利便性の高い場所にある場合、その商品を選択する上でそれらが重要視される場合においては、これも大きな参入障壁になりえます。他にも、圧倒的なブランド力がある場合、ブランドに対する信頼が揺るがないということですので、他社の模倣も全く恐るものではありません。

また極めて購入者にとってメリットのある価格設定ができるコストリーダーシップが取れるケース、追随を許さない技術を保有している、法的に権利や特許で守られている、なども競合優位性を担保できている状態と言えます。

そして何よりも競合を駆逐する最大の武器が「シェア」です。シェアは参入障壁が築かれた結果、高まるものですが、あまりにも高い参入障壁は競合の意欲を削ぐだけでなく、マーケットそのものをコントロールする唯一の存在になり得ることから、圧倒的なvalue propositionを提供し続けることができるのです。

value proposition事例(1)ディズイーランドのvalue proposition

ディズニーランドは関東圏にとどまらず、日本全国から集客することのできる関東圏唯一無二の遊園地です。業種業態でいうと遊園地ですが、遊園地そのものの強みがディズニーランドの集客を可能にしているわけではありません。

ディズニーランドのvalue propositionを表す言葉は「夢の国」そのものであり「非日常」を醸成するための徹底した「コンセプト作り」です。ディズニーランドの徹底したコンセプト作りに関するエピソートについては多くの人が一度は耳にしたことがあるでしょう。あのディズニーランドのブランド力とそこから生み出される非日常の体験こそがディズニーランドのvalue propositionなのです。

value proposition事例(2)サントリーの烏龍茶

烏龍茶のペットボトルを想像して、サントリー以外のパッケージが浮かんだ人が一体どれだけいるだろうか。それほどにサントリーが圧倒的に独占し続けているのが烏龍茶の市場です。

もちろん「伊右衛門(サントリー)」や「おーいお茶(伊藤園)」「十六茶(アサヒ飲料)などのお茶全体市場でいうと、独占市場とまでは言えませんが、こと、烏龍茶に限っていうと、発売から30年経た今なお、他の追随を許さない独占商品となっています。

30年前の発売当初においては、甘味料が入っているいわゆる「ジュース」と呼ばれる飲料市場は存在しましたが、自宅で用意のできる「お茶」に対してお金を支払うという概念は当時の日本には存在しませんでした。

そこであのパッケージングを持って烏龍茶という甘味料が入っていない飲料を投入したのがサントリーなのです。当時はまだペットボトルというものがなく、缶での提供でしたが、瞬く間に烏龍茶市場そのものを形成し、以後30年に渡り、トップの座を譲ることなく競合の参入意欲も起きないぐらいの強固な地位を獲得しています。

この烏龍茶=サントリーというブランド(顧客の先入観・顧客のイメージ)こそがサントリー烏龍茶のvalue propositionとも言えます。

3.拡がりと集束をしていくvalue proposition(バリュー・プロポジション)の定義

多くのマーケティング用語や経営用語に言えることですが、使われ始めた言葉の定義というものが、言葉を使う人や使われ方によって形を変えることは往々にしてありますし、人によって認識が異なることも多々あります。

例えばあくまでもWebの世界に閉じたマーケティング用語だと認識する人もいれば、オンライン、オフライン問わずにマーケティング全体で使われると認識している人もいます。

こちらのサイトにおいてはvalue propositionはあくまでも「顧客への提供価値」と置きつつ、その本質についてはキシリトールガムの例を用いながら「プロモーションと新しい価値の創出」という観点でvalue propositionを説いています。

しかしあくまでも「顧客に価値を伝えること」がvalue propositionがゴールと紹介されることもあります。また、顧客のニーズに対する回答が端的で明確でなければならないという語られ方をすることもあります。

いずれにおいても顧客との関係性において、value propositionは「提供価値」というものかもしれませんが、競合観点から見た時にそれは参入障壁でもあり、「競合優位性」という言い方をすることもできます。同時に、自社にとってはイコール強みと置き換えることも可能です。

このように、その言葉の使われ始めとは異なった使われ方をしていても、やがて市民権を得ることができるようになることはマーケティング用語や経営用語などにおいては、往々にしてあることです。

もしかするとそれは間違った使われ方かもしれませんが、その場で認識のズレが起きないレベルの間違い方であれば、やがてそれも広義の意味として定義されていくことが珍しくありません。

ですので、言葉の意味が拡がりを見せたりとある使われ方に集束していくということがあるという前提を知っておくことが必要です。

その上で大切なのはどのような文脈、どのような定義でその言葉が使用されたのかということをしっかりと認識し、その後の議論や業務の中で、意図しないタスクに落ちたり、意図しない方向性に向かわないように注意することが必要です。

4.終わりに

value propositionの本質は3Cのフレームで語ることができます。自社・顧客・競合・この関係性の中で顧客が求めているニーズに対して競合が真似のできないような形で、自社が何を提供することができるのか、という観点です。

これはマーケティング(モノを売る・認知を図る)という枠を超えた、企業経営の本質かつ根幹の部分です。value propositionというキーワードが持っている言葉の意味や広さに左右されることなく、本質的に顧客課題に対して自分たちがどのように向き合っていくべきかということの中にこそvalue propositionを理解するキーがあると思っておく必要があるでしょう。

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筆者:店長

営業と、競馬と、しゃべる植物。あっAIも。つい、いろいろ作ってしまう人です。

→ 店長の正体(詳しいプロフィール)

店長

Xアカウント:@nishi_sales_ai 新卒で大手IT企業に入社し、飛び込み営業から深耕営業、大手企業担当まで第一線で経験を積む(表彰歴多数)。その後、事業企画・営業企画部門で経営に近い立場から営業組織と数字に向き合い、10年勤続を経て独立。営業組織の改善に特化したコンサルタント企業を立ち上げる。 コンサルタントして数々の現場に入りつつ、自ら営業特化の転職エージェントも運営。近年はAIを活用した営業組織の業務改善・生産性向上プロジェクトに携わる。現場の最前線と経営の両方を見てきた視点から、営業3年目前後がぶつかる壁を越えるための実践知を発信する。

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