案件が停滞して動かないときの対処|追うより社内で使う材料を渡す
その案件は本当に停滞しているのか — 何日動かなければ停滞か
「あの案件、そういえば動いていないな」と気づく瞬間は、たいてい主観から始まります。返事が来ないまま数日過ぎただけで焦って追いかける人と、何ヶ月も放置したまま気づかない人が、同じチームの中に並んでいます。どちらも共通しているのは、停滞かどうかを判定する基準を持っていないことです。基準がなければ、停滞は「たまたま思い出したときに気づくもの」のままで、対処のタイミングは人によってばらばらになります。この章では、対処の前に置くべき検知の仕組みを整えます。判定さえ機械的にできるようになれば、以降の章の打ち手はすべて、正しい案件に正しい時期に当てられるようになります。
フェーズごとに「動きの間隔」の目安を先に決める
停滞の判定を一律の日数で決めようとすると、必ず無理が出ます。初回の提案を出した直後と、最終見積を出して社内稟議に回っている段階とでは、顧客側が動くのに必要な時間がまったく違うからです。同じ「返事がない」でも、前者は検討がまだ始まっていない可能性が高く、後者は社内の会議サイクルを待っているだけかもしれません。ですから間隔の目安は、フェーズごとに分けて先に決めておきます。決め方は簡単で、自社が過去に受注できた案件をフェーズ別に並べ、そのフェーズを通過するのに実際どれくらいかかっていたかを見ます。その実績を超えたものを停滞と呼ぶ、という決め方であれば、借り物の日数を運用せずに済みます。
| 商談のフェーズ | このフェーズで顧客側に起きるはずのこと | 間隔の決め方 |
|---|---|---|
| 初回提案の直後 | 提案内容が窓口の中で整理され、社内の誰かに共有される | 受注案件で、提案から社内共有の兆候が出るまでにかかった期間を基準にします |
| 見積提出後 | 予算と時期が具体的に検討され、比較や条件の質問が出る | 受注案件で、見積提出から質問や条件交渉が始まるまでの期間を基準にします |
| 社内稟議・決裁待ち | 決裁ルートに乗り、会議の議題として扱われる | 顧客の会議サイクルに、そこから決裁が下りるまでの猶予を足して基準にします |
| 導入条件の詰め | 契約書・セキュリティ確認・開始日の調整が並行して進む | 細かいやり取りが続く局面なので、他のフェーズより短い間隔を基準にします |
動いた/動いていないは、自分の連絡回数ではなく顧客側の行動で判定する
もう一つ決めておくべきなのが、何をもって「動いた」と数えるかです。ここを曖昧にしたまま活動履歴だけを見ていると、自分が何度も連絡を入れている案件が「活発な案件」に見えてしまいます。けれども、こちらが送ったメールの本数は案件の進捗ではありません。判定の主語は、常に顧客側に置いてください。社内で共有された、別の部署の名前が出てきた、具体的な質問が届いた、次の打ち合わせの日程が入った。こうした顧客側で実際に起きた出来事だけを、動きとして数えます。この考え方で案件を持つと、記録すべきなのは自社の最終活動日ではなく、顧客側で最後に何かが起きた日になります。同時に、基準の範囲内にある案件を不安から追い回すことも減ります。まだ待つべき時期に追撃を重ねると、熱心さではなく余裕のなさとして伝わってしまうからです。
案件が動かなくなる原因を、自社側と顧客側に分けて並べる
停滞の原因を洗い出そうとすると、多くの現場で「コミュニケーション不足」「リソース不足」「モチベーションの低下」といった項目が並びます。これらはプロジェクト管理の枠組みから借りてきた分類であり、社内のタスクが進まない理由としては機能しますが、営業案件にはうまく当てはまりません。相手は自社のメンバーではなく、こちらの指示系統の外にいるからです。営業案件で意味を持つ切り分けは、原因が自社側にあるのか顧客側にあるのかという一点です。この二つは打ち手がまったく違います。次の表で自分の案件がどちらに当たるかだけ見分けたら、すぐに次の章へ進んでください。停滞の実質的な発生源は、この表の右側にあります。
| 原因の所在 | よくある中身 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 自社側 | 提案が判断できる粒度になっていない/窓口が決裁者に説明できる形になっていない/次のアクションを決めないまま商談を終えた/そもそも解こうとしている課題が小さい | 窓口から返信自体は来るのに、内容が前に進まない状態が続きます |
| 顧客側 | 予算期の都合/社内の優先順位の変化/人事異動や組織変更/他社との比較が途中/関係部署の合意が取れていない | 返信そのものが来なくなる、または「社内で確認します」から先が動きません |
止まっているのは案件ではなく、顧客社内の意思決定
案件は、営業が押した力で動くものではありません。顧客社内の誰かが動いた結果として、こちら側から見て動いたように見えるだけです。この順番を取り違えると、停滞の原因分析はいつも「自分の押しが足りなかった」「もっと早くフォローすべきだった」という自責に着地して、次に打つ手が「もっと連絡する」しか出てこなくなります。実際には、提案書が届いた瞬間から案件の主戦場は顧客の社内に移っています。稟議を通す人がいて、反対する人がいて、他の投資案件と枠を奪い合っています。ですから停滞したときに見るべきなのは、自分の行動量ではなく、顧客社内のどこで意思決定が止まっているかです。この章では、その止まり方を三つの型に分けて見ていきます。
決裁者の課題リストに載っていない案件は、優先順位で必ず後回しになる
窓口担当者が困っていることと、決裁者が今期の関心事として抱えていることは、同じではありません。窓口にとっては毎日の業務を圧迫している深刻な問題でも、決裁者の頭の中にある課題リストには一行も入っていない、ということが普通に起こります。決裁の場で比べられるのは、この提案が良いか悪いかではなく、他に上がってきている投資案件と比べて先にやるべきかどうかです。ですから、決裁者が今どこに関心を持っているのか、コストなのか売上なのかリスクなのか人手なのか、そのどれに自分の提案が紐づくのかを言葉にできない案件は、比較の土俵に乗る前に落ちます。停滞案件でよく聞く「良い提案なのですが、今ではないという話になりまして」という返答の正体は、たいていここにあります。
現場は賛成、購買と法務は未着手 — 合意していない部署を特定する
一定の規模を持つ企業では、決裁が一人の判断で完結することはまずありません。利用部門が導入に賛成していても、購買部門は相見積を求め、情報システム部門はセキュリティの確認をこれから始め、法務は契約書をまだ見ていない、という状態が同時に起こります。このとき案件は「進んでいない」のではなく、複数の部署のうち最も遅い部署の速度で進んでいます。確認すべきなのは、どこまで進んだかという全体の進捗ではなく、どの部署がまだ着手していないかという未着手の一覧です。後工程に未着手の部署が一つでも残っている限り、案件はその部署が動き出す日まで止まったままになります。逆に言えば、未着手の部署さえ特定できれば、停滞は原因不明の状態から、待ち時間が読める状態に変わります。
窓口担当者の温度感を、社内の進捗と取り違えない
停滞案件を振り返ったときに、いちばん多い誤読がここです。窓口担当者が「いいですね、前向きに検討しています」と言ってくれると、案件は進んでいるように感じます。けれどもその言葉は、その人個人の感想であって、社内の意思決定の進捗を表すものではありません。温度感が高いのに動かない案件は、むしろ危険な状態にあります。窓口自身は納得しているのに、それを社内で通す作業ができていないからです。通せない理由は、その人に権限がないか、説明する材料を持っていないか、社内で切り出す時機を計りかねているかのいずれかです。見分けるには、決裁者に会えているか、会話の中に他部署の名前が出てきたか、窓口が社内向けに使う言葉を持っているか、この三点を確かめます。三つとも欠けているなら、動いているのは窓口の気持ちだけです。
停滞の原因を特定する質問 — 案件レビューで何を聞くか
前の章で見た三つの型は、頭で理解しただけでは案件に反映されません。実際に顧客へ聞いてみて初めて、どこで止まっているかが分かります。ここでは、その確認を質問の形にしておきます。大切なのは、答えが返ってくることと同じくらい、答えが返ってこないこと自体が情報になる点です。窓口が答えられない質問は、その領域が社内でまだ扱われていないことを示しています。また、これらの質問は詰問にしないでください。契約を急かすために聞くのではなく、顧客の社内を一緒に整理する立場で聞くと、相手も答えやすくなります。マネージャーが案件レビューで使う場合は、営業本人が答えられなかった質問が、そのまま次の週の宿題になります。
| 質問 | それで分かること | 答えられないときの解釈 | 聞き方の例 |
|---|---|---|---|
| この件は社内でどなたが決めますか | 決裁ルートと最終的な意思決定者 | 窓口が決裁構造を把握していません | 「進め方をこちらで合わせたいので、最終的にどなたのご判断になるか教えていただけますか」 |
| 最後に社内でこの話が出たのはいつですか | 実際に止まっている期間 | 社内で議題に上がっていません | 「社内でお話が出たタイミングに合わせて資料をご用意したいのですが、直近ではいつ頃でしたか」 |
| 導入するとしたら、いつから使い始めたいですか | 期限が顧客側に実在するか | 期限が自社の営業都合しかありません | 「逆算してご準備したいので、使い始めたい時期の目安をうかがえますか」 |
| 反対しそうな方はいらっしゃいますか | 未合意の部署や人物 | まだ誰にも相談していません | 「事前にご説明の材料をご用意したいので、気にされそうな部署はありますか」 |
| 今、何が決まればこの話は前に進みますか | 停滞のボトルネックそのもの | 案件が社内で扱われていません | 「私どもでご用意できるものがあれば動きますので、今いちばん詰まっているところを教えてください」 |
追いかけるのをやめて、相手が社内で使える材料を渡す
ここからが対処の本体です。停滞案件に対して、多くの現場が最初に取る手は接触の強化です。連絡の頻度を上げ、電話を足し、上司から一本入れてもらう。ところが停滞案件で効きにくいのが、まさにこの追撃です。止まっている場所が顧客の社内である以上、こちらの接触回数を増やしても、社内で誰かが動く理由は一つも増えないからです。必要なのは、接触の量を変えることではなく、渡すものの質を変えることです。窓口が社内で案件を通せずにいるなら、通すための材料を作って渡すほうが早く動きます。この章では、なぜ従来の追いかけが効かないのかを先に確認したうえで、渡すべき材料の型と、期限の置き方まで具体的に見ていきます。
「その後いかがでしょうか」が効かない理由
停滞案件に送るメールの定番が「その後、ご検討状況はいかがでしょうか」です。ところがこの一文は、受け取る側にとって答えるのが最も面倒な種類の質問になっています。窓口は、進んでいないことを自分でも分かっています。そこへ状況を尋ねられると、進んでいない理由を説明する作業が発生します。社内が忙しくて出せていない、上長に相談したが返事がない、他の案件が先に来ている。どれも書けば言い訳のようになりますし、書かずに済ませるには返信しないのがいちばん楽です。つまりこの問いかけは、相手に仕事を増やしたうえで、返信しない動機まで与えてしまいます。しかも回数を重ねるほど、返しにくさは積み上がっていきます。連絡しても反応がないという状態は、多くの場合、嫌われたのではなく、答える手間を避けられているだけです。
稟議・社内会議でそのまま使える材料を作って渡す
打ち手を切り替えます。状況を尋ねるかわりに、窓口が社内で使える材料を作って渡します。渡すものには型があります。一つ目は、社内会議や稟議にそのまま貼れる一枚の資料です。費用と効果、導入の時期、他社との比較を、窓口の上長が数分で読める分量にまとめます。二つ目は、想定される反対意見への回答です。情報システム部門が気にする点と経理が気にする点は違うので、宛先ごとに分けて用意します。三つ目は、同じ業界や同じ規模の導入事例です。これは窓口が上長に説明するときの根拠になります。四つ目は、条件の期限です。値引きの期限ではなく、導入枠や支援体制の空きのように、動く理由として社内で説明できるものを置きます。渡し方も変えます。「ご検討状況はいかがでしょうか」ではなく、「社内でご説明されるときにお使いください」と添えて送ります。相手の仕事を代行する形にすると、返信の心理的なコストが下がります。
期限は自社都合ではなく、顧客側の予定に紐づける
材料と一緒に置くべきなのが期限ですが、ここでも主語を顧客側に移します。「今月中にお返事をいただけますか」は、こちらの締めの都合でしかありません。相手の社内には、その日付が動く理由になる出来事が何一つ紐づいていないので、期限として機能しません。かわりに使うのは、顧客側にすでに存在する予定です。次の部門会議、予算の締め、現行契約の更新月、期初のタイミング。こうした日付に合わせて材料を出せば、期限はこちらの要望ではなく、相手の社内スケジュールになります。顧客側の予定が分からない場合は、それを聞くこと自体が次のアクションになります。あわせて、一度も会えていない決裁者への回路も考えます。窓口を飛ばすのではなく、窓口が同席する形で決裁者向けの説明の場を提案すると、窓口の立場を守りながら意思決定者に届きます。それでも動かない場合、問題は材料ではなく優先順位にあります。次の章に進んでください。
それでも動かない案件を、いつ手放すか
材料を渡しても動かない案件は残ります。そのとき必要なのは、さらに追いかけることではなく、追うのをやめる判断です。ところがこの判断がいちばん難しく感じられます。失注に落とせば数字が減り、上司への説明も必要になるからです。結果として、動かないと分かっている案件がリストに残り続け、毎週わずかな時間を食いながら、予測を少しずつ狂わせていきます。追い続けている対象が案件ではなく、失注を認めたくない気持ちになっている状態です。この章では、抱え続けることのコストをはっきりさせたうえで、手放し方に手続きを与えます。手放すことを諦めではなく、次の打ち手として扱えるようにするのがここでの目的です。
その前に、停滞という言葉そのものを一度疑っておきます。案件が動かない状態は、たいてい不具合として扱われます。どこかに原因があり、それを特定して正しく手を当てれば元通り動き出すはずだ、という前提です。停滞の原因一覧が世の中にこれだけ出回っているのも、この前提が共有されているからでしょう。けれども停滞は、故障というより検査の結果に近いのかもしれません。計器が高い値を示したときに、計器のほうを直そうとする人はいません。案件が止まっているという事実は、その案件が顧客社内で優先順位を勝ち取れていないことを、こちらに知らせている表示です。表示を消しても、表示されていた状態は変わりません。
そう捉え直すと、営業が動かせる範囲もはっきりします。こちらが握っているのは自社の行動だけで、相手の社内で何が先に来るかという順序そのものには手が届きません。届かないものを目標に置くと、打ち手はいつまでも足りないままになります。停滞案件をすべて動かすという構えが、どれだけ手を尽くしても達成感の出ない種類の目標になるのは、そのためではないでしょうか。ですから対処の本体は、動かすことではなく分けることになります。材料が足りないせいで止まっているものは、材料を渡せば動きます。優先順位で負けているものは、何を渡しても今は動きません。この二つを混ぜたまま同じ熱量で追いかけている限り、時間は前者からも後者からも等しく引かれていきます。
そして後者に残されている手は、諦めることではありません。順位が入れ替わる時点まで待つ、という打ち手です。動かすか落とすかの二択で考えているあいだは出てこない三つ目の選択肢が、ここにあります。案件を抱えていること自体が評価を下げるわけでもなさそうです。下がるとすれば、動く案件と待つ案件を自分で分けられていないときでしょう。以下は、その分け方に手続きを与えていく話になります。
抱え続けるコストは、他の案件から時間を奪っている
停滞案件を持ち続けることは、無料ではありません。予測に残しておけば、着地の見通しが実態から離れていきます。案件リストに残しておけば、毎週の確認のたびに思い出し、そのたびにわずかな時間と判断のエネルギーを使います。上司から状況を聞かれれば説明の準備も必要になります。一件あたりの負担は小さく見えますが、停滞案件が積み上がるほど、それは新規の活動に使えたはずの時間から差し引かれていきます。ここは感覚ではなく、量として見たほうが判断が楽になります。停滞している案件に月あたりどれだけの時間を使っているのか、その時間を新規の接触に回したら何件当たれるのかを並べてみると、抱え続ける選択が無条件に安全なわけではないことが見えてきます。手放す判断は、損切りではなく時間の再配分です。
「失注」と「寝かせる」を分ける — 復活の条件を書いて手放す
手放すときに、すべてを失注として処理する必要はありません。二つに分けます。失注は、他社に決まった、あるいは導入自体が見送りになった案件です。これは記録して終わりにします。もう一方が、寝かせる案件です。提案の中身に問題があったのではなく、顧客側の事情で今は動かないだけで、条件が変われば動く可能性が残っているものを指します。寝かせる案件は予測から外し、そのかわりに復活の条件と再接触の日付を書いてリストに戻します。復活の条件になるのは、予算期が変わること、担当者や決裁者が異動すること、現行契約の更新月が近づくこと、組織変更が入ることなどです。条件を書いておけば、案件は思い出しによってではなく、決めておいた合図によって戻ってきます。目安としては、前の章の質問に窓口が一つも答えられず、材料を渡しても反応がない案件は、追撃ではなく寝かせる側に回します。そしてこれを上司に伝えるときは、黙って抱え込むより、動く案件と待つ案件を分けて示せるほうが評価されます。
停滞案件を放置すると、予測とレビューが壊れる
停滞案件を判定せずに放置すると、影響は個々の案件を超えて、チームの運営そのものに及びます。次の三つは、どれも停滞案件が積み上がった組織で必ず起きます。
- 受注予測が読めなくなります。動いていない案件が予測に残り続けるため、着地の見込みが実態から離れ、月末になって初めて足りないことに気づくようになります。
- 案件レビューが確認会に変わります。進んでいない案件の状況説明に時間が取られ、本来検討すべき打ち手の議論が後回しになります。
- 新規の活動量が落ちます。過去案件の追撃に時間が回るほど、新しい接点をつくる時間が削られ、翌期以降の停滞をさらに増やします。
いずれも、案件ごとの熱意で解決する問題ではありません。この記事の最初に置いた判定基準を持てば、どの案件が停滞なのかが自動的に決まり、あとは打ち手を当てるか寝かせるかを機械的に処理できるようになります。
そもそも止まらない案件の作り方 — 商談を閉じる前に次を確定する
ここまでは、止まってしまった案件をどう扱うかの話でした。最後に、止まる前の話をします。停滞は、起きてから対処するより、起こさないほうが確実に安く済みます。もちろん顧客側の事情は制御できないので、すべてを防ぐことはできません。防げる分だけ防ぐ、という構えで十分です。実際、停滞する案件の多くは、商談の最後の数分で決まっています。次のアクションを決めないまま「持ち帰って検討します」で終わった案件が、そのまま消えていきます。商談を閉じる前に、次の三つを確定させてください。
- 日付。次にいつ話すかを、その場でカレンダーに入れます。「また連絡します」で終わらせません。
- 担当。顧客側の誰が、社内で何をするのかを確認します。「いつ頃、どなたとお話しされますか」まで聞いてから終わります。
- 宿題。自社が次までに何を出すのかを明示します。あわせて、顧客側にも小さな宿題を持ってもらいます。
三つ目が抜けやすいところです。自社の宿題しかない案件は、顧客側が自分から動く理由を持たないため、こちらが出した資料が読まれないまま時間だけが過ぎていきます。
まとめ — 動かないのは、こちらの熱意ではなく相手の材料が足りていない
案件が停滞したとき、足りていないのはこちらの熱意ではありません。窓口が社内を通すための材料です。やることは三つに絞れます。まず、フェーズごとの間隔を決めて、停滞を気分ではなく日数で検知します。次に、顧客社内のどこで意思決定が止まっているのかを質問で特定します。そのうえで、追いかけるかわりに、相手が社内で使える材料を渡します。それでも動かなければ、復活の条件を書いて寝かせます。追いかけ続けることと粘り強さは、別のものです。

