厳しい上司の優しさ|エピソード4選と効く「順番」の法則
営業マンの泣けるエピソード「厳しい上司の優しさ」に関するエピソード4選!
上司の厳しさは全て営業を思ってのこと。特に若手メンバーに対する叱責は親代わりのような思いで見守る上司もたくさんいます。厳しい上司の下につくことは、営業マンとして、ビジネスマンとして、そして人間として、成長する一つのチャンスなのかもしれません。そんな厳しい上司の優しさに触れた、営業マンの泣けるエピソード4選です。
厳しさの中の優しさ
20代 証券会社
2年間一度も褒められたことがなかった。だけどメンバーが残業しているときに、絶対に先に帰ることはなかった上司がいた。クレームが起きて寝ずに対応しなければならなかったときも、「お前を信じているからできるところまでやってみろ。どうしてもケツがふけなかったら持ってこい」と言って朝まで付き合ってくれた。
20代 オフィスリース
月末の数字が足りなくて後数万円が埋まらなかったとき、わたしがどうしても達成したいことを知っていたから、普段は絶対に残業を認めない上司が、営業最終日に夜19時から深夜まで、オフィス街で飛び込みすることを許してくれた。
当日に受注するなんて無理だけど、最後の1秒までやりたいと言った私に「オレは何も見ていないし聞いていない。うちの部署は残業は禁止だ。ちなみにオレは今から渋谷で会食だ。19時に渋谷について、22時過ぎには銀座線に向かう。」と言って、自分と鉢合わせしないようにして残業することに目をつぶってくれた。結局達成できなかったけど、達成するよりも得たものがあった。
30代 派遣
派遣さんがクライアント先で2人目の離脱。どちらも短期間で離脱したため、「御社の教育はどうなっているんだ」と先方は相当お怒り。派遣さんのフォローは誰よりも頑張っていたつもり。
上司は派遣さんのフォローが弱い営業マンに対して極めてあたりがきつかった。しかしその時だけは「お前でもできなかったんだから、誰もできないよ。お客さんのところに一緒に謝りに行こう」と言ってくれたこと。
30代 開発受託営業
新卒で営業に配属されて2年目の時、一生懸命取り組んだプロジェクトが最後の最後に炎上した。取り返しのつかないレベルまで仕様の変更をクライアントから要求された。結果、鬼上司が出てきて一人で先方に出向き、穏便に事は済んだ。プロジェクトの打ち上げはそれまでのことがウソのように、明るく楽しく進行した。
上司はこなかったがクライアントから「あいつが毎日成長するのが嬉しくて楽しくて、もう少し見ていたいもう少し見ていたいとの思いで口を出さずに見ていました。結果御社に迷惑をかけてしまい申し訳ありません。でもあいつは御社のために必死にやっていました。そこだけはわかってやってください。」と言ってきた、ということを聞かされた。
その後にクライアントからは「それで今までの君の頑張りと、うちに対する貢献を改めて思い出して、その頑張りと貢献を全てひっくり返すことの正当性のなさに気づいて矛を収めた。すまなかった。」と言ってもらえた。上司もクライアントも最高の環境で仕事ができたと思っている。
同じ「あとは俺が引き取る」が、刺さる上司と刺さらない上司がいる
不思議なもので、まったく同じ言葉でも、ある上司が言うと涙が出るほど沁みるのに、別の上司が言うと表面を滑っていくことがあります。「あとは俺が引き取る」「ここまでよくやった」。言葉そのものに差はありません。差があるのは、その一言にたどり着くまでの「順番」です。
普段から厳しい上司の優しさが刺さるのは、優しさが先にあるからではありません。先に十分な厳しさがあったからです。日頃ぬるい人がピンチで急に庇っても、ただの場当たりに見えてしまう。逆に、普段は1ミリも妥協させない上司が土壇場で前に出ると、その落差そのものがメッセージになります。優しさは単体では効かず、厳しさとの落差ではじめて効く。この順番を、受け手は無意識に見抜いているものです。
上司が前に出るのは、こちらが「やり切った後」だけという共通点
厳しい上司の優しさには、もう一つ共通の型があります。本人が手を出すのは、決まって部下がやれることを全部やり切った後だ、という点です。
月末の数字に届かず、最後まで飛び込みを続けたとき。クライアント先の炎上に、二年目が必死で食らいついたとき。上司が責任を引き取って前に出るのは、いつも部下が限界までやった「その先」でした。順番が逆になると台無しになります。早すぎる救済は成長の機会を奪い、本人の「自分でやり切った」という実感まで奪ってしまうからです。
だから腕のある上司ほど、助けたい気持ちをこらえて、ギリギリまで手を出さずに見ている。見守りは放置と紙一重ですが、両者を分けるのは「いつでも出られる位置に立っているか」の一点です。
3年目は、優しさを「もらう側」から「渡す側」へ半分踏み出している
ここからが、3年目に向けた話になります。この手のエピソードは、たいてい部下の側から「こんな上司に救われた」という形で語られがちです。けれど3年目になると後輩がつき、あなた自身が誰かにとっての「先に出るかどうかを決める人」になり始めます。
そこで効いてくるのが、いま振り返った二つの型です。後輩には日頃きちんと求めること。そして本人がやり切るまでは、たとえ危なっかしくても、すぐ前に出られる位置で待つこと。
あなたが昔もらって沁みたあの一言は、この順番を再現したときにだけ、同じ重さで後輩に届きます。次に後輩がミスをしたら、助けに入る前に一度、「これは本人がまだやり切れる場面か」を自問してみてください。その数秒の判断が、あなたを「ただ優しいだけの先輩」と静かに分けていきます。

