【意味・例文】「重ね重ね」ビジネスやメールで使える謝罪やお礼の表現 「重ね重ね」は丁寧さより"距離"を運ぶ――多用が逆効果になる理由と、謝罪・催促の実質
「重ね重ね」とは「同じことを何度も繰り返して」、「くれぐれも」という意味です。例文、類語を交えて使い方をご紹介します。英語ではどう言い換えればいいのか、忌み言葉?そんな疑問に丁寧にお答えします!!
はじめに
「同じことを何度も繰り返して」という意味の言葉、重ね重ね。ビジネスメールなどで使う機会のある人も多いのではないでしょうか。意味はわかるけど正確な使い方がよくわからないという方のために例文を交えて徹底解説します。
【重ね重ね】まずは意味を確認
まずは重ね重ねの意味を確認しましょう。
かさねがさね【重ね重ね】
-
① 同じようなことを繰り返すさま。何度も何度も。たびたび。
-
② 念を入れて言うさま。くれぐれも。じゅうじゅう。
―――明鏡国語辞典より引用
1度以上お詫び、お礼をした後でさらに念を入れたいというタイミングで使用します。
繰り返し気持ちを伝えることでより重みを付ける意味を持たせる言葉というわけですね。謝っても謝りきれない!感謝してもしきれない!という時に使うわけですね。
以下ではシチュエーション別の使い方を紹介していきたいと思います。
重ね重ねの使い方例文
【重ね重ねの使い方例文】お礼
重ね重ね御礼申し上げます
重ね重ねありがとうございます
重ね重ね感謝申し上げます
『温かいお心遣いを賜りまして、重ね重ね感謝申し上げます。』
【重ね重ねの使い方例文】謝罪
重ね重ねお詫び申し上げます
重ね重ね大変申し訳ございません
重ね重ね申し訳なく
『ご不便をおかけしましたことにつきまして重ね重ねお詫びを申し上げます。』
【重ね重ねの使い方例文】祝福
重ね重ねおめでとうございます
重ね重ねお祝い申し上げます
『新しい任地でのご活躍を心よりお祈りいたします。ご栄転重ね重ねお祝い申し上げます。』
【重ね重ねの使い方例文】お願い(依頼)
重ね重ねお手数(ご迷惑)をおかけいたしますがよろしくお願いいたします
重ね重ねのお願いで大変恐縮ですがご検討くださいますようお願いいたします。
『重ね重ねのお願いになりまして大変恐縮ですが、19日までにご返信いただけますと幸いでございます。』
【重ね重ねの使い方例文】恐縮
重ね重ね恐れ入ります
重ね重ね恐縮に存じますが
『ご多忙中お時間を頂戴いたしまして、重ね重ね大変恐れ入ります。』
【重ね重ね】ビジネスメールの中ではどう使えば良い?
一度以上相手に伝えた内容をあえてもう1度繰り返す時に使われます。相手の時間を浪費しない簡潔な文章を書くことはビジネスメールの鉄則で、
「重ね重ね」等を用いて言ったことをもう一度繰り返すことは本来タブーと言えます。それでもビジネスシーンで重ね重ねが使われるときというのは、深い感謝やお詫びの気持ちを表したい時です。多用はあまりよくありません。
ただし現実には、メールの中で使われている重ね重ねの多くが文章全体の収まりをよくするためにあります。また重ね重ねを1つのメールの中で2度以上使うことは好ましくありませんので覚えておきましょう。
また、何度もメールを差し上げた相手に対するメールの書き出しでは下のような使われ方をします。
度々申し訳ございません。株式会社○○△△担当の◆◆でございます。
失礼ながら重ねて申し上げます。株式会社○○△△担当の◆◆でございます。
立て続けのメールを差し上げまして失礼いたします。株式会社○○△△担当の◆◆でございます。
先に述べたような「お詫び」、「お礼」だけではなく、「重ね重ねのお願いになりまして大変恐縮ですが・・・・・」などとして、納期や支払いが遅れている時にやんわりと催促したい時に使われることも多いです。
- これは常識!ビジネスメールテンプレート集
- 【テンプレート】ビジネスメールの締めと結び!
- コピペOK!ビジネスメールの書き方まとめ【例文】【マナー】
- コピペして使えるビジネスメールの書き出し【社内/社外】【目上/同僚】【英語】
- 意外と知らないビジネス用語の意味、例文!
- 【意味・例文】ご無沙汰、久しぶりのとの違いや期間
- 手紙のマナー「気付」とは。「様方」との違いや書き方をご紹介!
- 「取り急ぎお礼まで」は間違った使い方?取り急ぎの意味とメールでの使い方・言い換えのまとめ
【重ね重ね】の言い換え
- 重ねて
- くれぐれも
- 重々
- 再三
- 心より
- 幾重にも
- 返す返すも
【重ね重ね】、じつは忌み言葉!
なかなか汎用性の高い「重ね重ね」ですが、じつは
冠婚葬祭の場では忌み言葉とされることが多いのです。忌み言葉とは、災いが降りかからないように言うことを慎む言葉、またはその言葉の言いかえ表現のことです。たとえば三が日には不吉な言葉を使うことを避けて言い換えます。「亡くなる」、「隠れる」はそうした忌み言葉でした。中でも、婚礼に関しての忌み言葉については室町時代からその存在がわかっています。「切る」、「離れる」はもちろん、「重ね重ね」もその1つです。「結婚が重なる。」と言うのは字面を見てもとても良いこととは言えませんよね。お葬式の際も同様で「不幸が重なる。」を連想させるため、「重ね重ねお悔やみ申し上げます。」などとは使えません。現在ではほとんど気にされなくなった忌み言葉ですが、冠婚葬祭の場では発言に気を付けなければなりません。
忌み言葉【重ね重ね】の言い換え
「重ね重ねお祝いを申し上げます。」
→「本当におめでとうございました。」
「重ね重ねお悔やみを申し上げます。」
→「心よりお悔やみ申しあげます。」
【重ね重ね】英語ではどういうの
言語として英語は繰り返しを嫌う傾向があります。そのため全く同じ意味の言葉でも多くの言い換えのパターンが生まれて来ました。そもそも「重ね重ね」お礼をしたり、お詫びをする機会がないのです。ただし考えられる表現としては、repeatedly、againなどがありますがほとんど日本で使われるようには使われません。
どうしても重ね重ねを使いたい場合には、次のような表現が考えられます。
「I sincerely apologize from the bottom of my heart.(心からおわび申し上げます。)」
「Forgive me for all the trouble I've caused.(重ね重ねの失礼をお許しくださいませ。)」
「重ね重ね」は強調語であって、敬語そのものではない――だから多用すると他人行儀になる
「重ね重ね」は、感謝やお詫びを丁寧に強調したいときの便利な言葉です。ただ、ひとつ知っておきたいのは、
「重ね重ね」そのものは敬語ではなく、あくまで「繰り返して」という意味の副詞だという点です。丁寧さを足しているのではなく、気持ちの強さを足している言葉なのですね。
ここを取り違えると、使うほど逆効果になります。強調語というのは、繰り返すほど一つ一つが軽くなっていきます。一通のメールに何度も「重ね重ね」が出てくると、強調どころか、かえって大げさで芝居がかった印象を与えてしまいます。さらに見落とされがちなのが、過剰な丁寧さは相手との距離を広げてしまうという点です。親しくなった取引先に、毎回うやうやしく「重ね重ね」を重ねると、かえって壁を作っているように受け取られかねません。だからこそ、この言葉は「ここぞ」という一通の、一箇所だけで使うから効きます。本当に強調したいとき以外は、あえて使わないようにします。そして関係が深まってきた相手には、「重ね重ね御礼申し上げます」よりも、「今回は本当に助かりました」といった体温のある一言のほうが、ずっとまっすぐ届くこともあります。なお、結婚や弔事の場面では「重ね重ね」は不幸や再婚を連想させる忌み言葉とされますが、それ以前に、ふだんの仕事のメールでも“重ねすぎ”は禁物だと考えておくと、使いどころを外しません。
謝罪と催促は「言葉を重ねる」よりも「相手の手間を減らす一手」で決まる
そもそも「重ね重ね」が登場する場面を思い返してみると、その多くは、こちらに非があるか、お願いを重ねているときです。つまり、受け取る側はすでに「またか」と少し身構えています。そういう相手に、クッション言葉だけを厚く盛っても、気持ちはなかなか動きません。
効くのは、丁寧な言葉の下に、相手の手間を減らす実質を一つ入れることです。謝罪なら、詫びの言葉に続けて、原因と次にどうするかを一行で添えます。催促なら、「重ね重ね恐縮ですが」のあとに、期限とその理由をセットで書きます。たとえば「重ね重ね恐縮ですが、○日の社内会議で使いたいため、五日までにご返信いただけますと助かります」のように、いつまでに・なぜ必要かまで示すと、相手は迷わずに動けます。丁寧さは、相手の負担を軽くして初めて伝わるものです。「重ね重ね」はその上に薄く乗せる化粧のようなもので、土台になる中身がなければ、ただ大げさなだけの一文になってしまいます。
おわりに
使いかたを覚えておくと何かと便利な重ね重ね。ビジネスメールなどでは同じことを2回言うようなことは敬遠されがちですが、どうしてもお礼やお詫びの気持ちを強調したい!と言うときに使うと効果的です。正しい意味と使い方を仕事の中で覚えて一流のビジネスパーソンを目指していきましょう。
上司と一緒に読みたい一本
あわせて読みたい