悲喜交々「転勤と異動」に関する営業マンのエピソード5選!
悲喜交々「転勤と異動」に関する営業マンのエピソード5選!
そこにお客様がいらっしゃる限り、そこに支店がある限り、営業マンにとって転勤と異動はつきもの。もちろん地場に根付いた事業運営をしている企業がある一方で、より多くのお客様との出会いを求めて全国展開や複数のエリアに出店している企業の数は星のようにあります。そのような企業で働く営業マンは常に転勤辞令をもらう可能性を背負って仕事をしなければなりません。転勤と異動に関する営業マンのエピソードです。
営業マンの転勤と異動のお話
全国に営業所や支店のある企業の営業マンにとっては全国転勤や異動というものは常についてまわる問題です。栄転・左遷呼び名は様々ですが、今日も多くの営業マンが縁もゆかりもない、日本のどこかの場所で働いています。
20代 ネットメディア
110名ほどの企業だが、そのうちの90名ほどがディレクターやエンジニア、本社スタッフ含めて東京本社勤務で残りの15名が大阪勤務。残り5名が名古屋勤務。5%未満の確率で名古屋勤務を去年の4月に引き当てた。
結婚を考えていた彼氏とも結局、転勤後すぐに別れてしまった。しかし住めば都で東京と比べると家賃は安いし、言われているほど排他的な雰囲気もないし、何よりもお客様にも恵まれて今となっては本当に名古屋に来て良かったと思っている。だけど味が濃すぎる名古屋飯だけは一年経った今でも本当に体に合わない。口に合わないじゃなくて体に合わない。
30代 出版社
生まれも育ちも東京で、就職したのも東京本社の出版社。31歳にして初めての地方転勤。ただし出世しての転勤だったので栄転だと言われて伝えられた内示が西日本営業課中四国九州担当。
東京には営業課が3つも4つもあるのに、西日本営業課中四国九州チームってちょっと範囲が広すぎやしませんかね。ほぼ毎日移動移動でホテル暮らしで一年の移動距離が地球半周分になった。
20代 化学メーカー
とある大都市の支店が入るビルの地下に居酒屋があるのだが、その店は代々、仕事あがりの弊社社員の社員食堂かのように社員御用達居酒屋になっている。少なく見積もっても8割は自社の社員が客なのではないかと思っている。
毎年、年度始めの10月に約1割の営業マンが転勤しているのだが、その支店の支店長が転勤になったタイミングで、ついにその居酒屋も全く縁もゆかりのない支店長の転勤先に2号店を出した。マスターの近親者に元々あった店を任せているという話を聞いたときに、社内に張り出されている辞令書にマスターの名前がないかついつい探してしまった。
20代 建築
弊社は昔からの日本企業で給与はそれほど高くないが福利厚生はかなり手厚い。もし妻帯者が転勤となった場合で単身赴任を選択するのであれば、月給と同額ぐらいのかなり家賃手当や交通費手当などの手厚い単身赴任手当が支給されることになっている。条件は異動日の時点で籍を入れていること。内示が出されるのは異動日の4日前。
単身赴任手当欲しさに、付き合ってまだ6日しか経っていない彼女と、異動日の1日前に入籍を済ませてしまい単身赴任手当をもらった伝説の先輩がいる。しかし奥様になった彼女は元々フリーターで仕事が辞めることができないとかは特になくて、別々の場所で暮らす理由が特段ないということに気づいて、すぐに一緒に住むことになり単身赴任手当の支給は2ヶ月で終わったらしい。
30代 システム営業
毎年4月には異動で部署からいなくなる人と異動で部署に新しく来る人の大歓送迎会が行われる。大歓送迎会は新入社員は歓迎される側なので幹事はしない。従って2年目社員の仕事である。結構宴会に力を入れる会社のため、大歓送迎会の幹事の仕事は相当業務を圧迫する。
しかし私が2年目となって幹事を務めるようになってから4年間、元々数の少なかった新卒採用を会社がやめてしまい、中途採用で退職者の補充をするようになった。何年も年下の後輩ができず、歓送迎会の幹事を結局4年続けてやった。やっと自分も異動になり送り出されるようになって、5年越しにバタバタせずに過ごさなくていい大歓送迎会を心から楽しみにしていたのだが、大歓送迎会の2週間前に東日本大震災が起きてしまい、こんな時に宴会をするのは不謹慎だからと歓送迎会を開催してもらえなかった。
そもそも転勤は断れるのか——法律が引いている一線
転勤の話になると、まず気になるのが「これ、断れないの?」という素朴な疑問ではないでしょうか。結論から言うと、原則は断れません。就業規則に転勤を命じる定めがあり、勤務地を限定する合意を結んでいなければ、会社は社員の同意なしに勤務地を指定できる。これは古くからの最高裁判例(東亜ペイント事件)で確立した考え方です。「嫌だから」という理由だけでは、命令を拒んだ側が不利になります。
- 東亜ペイント事件 最高裁判決の解説(いかり法律事務所)
(https://ikari-law.com/hanrei-40/8776/)
- 配置転換が違法になる場合とは?判断基準(咲くやこの花法律事務所)
(https://kigyobengo.com/media/useful/3300.html)
- 配置転換|裁判例|確かめよう労働条件(厚生労働省)
(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/hanrei/haichi/haiten.html)
ただし、会社の権限も無制限ではありません。その転勤に業務上の必要性がない、不当な動機や目的がある、あるいは社員が通常我慢すべき程度を明らかに超える不利益を負う。こうした事情があれば、命令は権利の濫用として無効になり得ます。育児や介護を抱える社員への配慮義務もあり、それを欠いた一方的な辞令は、近年いっそう厳しく見られるようになっています。
さらに2024年4月からは、入社時などに「就業場所と業務の変更の範囲」を明示することが義務づけられました。裏を返せば、断れるかどうかの勝負は、辞令が出てからの交渉ではなく、契約をどう結んだかの時点で大半が決まっている、ということです。勤務地を限定して合意していれば、その範囲を超える転勤は命じられません。自分の労働条件通知書を一度確かめておくだけでも、いざという時の足場になります。
「左遷」か「栄転」かは、辞令ではなく着任後の半年で決まる
栄転、左遷、都落ち。転勤にはいろいろな呼び名がつきます。けれど、それは辞令が出た瞬間に貼られるラベルにすぎません。縁もゆかりもない街に飛ばされ、最初は都落ちだと落ち込んでいた人が、競合の少ない地方市場で、本社にいたら一生担当できなかった規模の地場企業を任され、数年後に全国の主力顧客担当として呼び戻される。そんな筋書きは、決して珍しくありません。
複数の県をまたぐ広域担当になり、一年の大半を移動とホテル暮らしで過ごすような働き方も、裏を返せば、本社で同じ年月を過ごす同期の何倍もの数の顧客と、短期間に会えているということです。地方や広域の担当は、一人で意思決定を迫られる場面が多く、営業としての筋力が一気につきます。一方で、結婚を考えていた相手と離れることになったり、家族の予定を組み直したりと、転勤が人生の段取りを問答無用で揺さぶるのも事実。逆に、提示された転勤を一度断ったことが、その後の昇格や大型案件の配属で静かに響いた、という話も現場ではよく耳にします。前の見出しで触れたとおり、正当な理由があれば断れます。ただ、断る権利があることと、断った後に何が残るかは、切り分けて考えておいたほうがよいでしょう。だからこそ、受けると決めたなら、与えられた場所で何を積み上げるかが後から効いてきます。
転勤を「キャリアの再配置」として使い倒す
では、どう機会に変えるか。やることは三つあります。
一つ目は、引き継ぎを「自分の棚卸し」に使うことです
担当を誰かに渡すために自分のやり方を言葉にしていく過程で、これまで感覚で回していた勝ちパターンが、初めて客観的に見えてきます。引き継ぎ資料は、後任のためであると同時に、自分の営業を一度分解して点検する機会でもあります。
二つ目は、着任先で「よそ者」であることを武器にすることです。
前の土地で当たり前だったやり方を持ち込むだけで、その支店が長年疑いもしなかった慣習を揺さぶれます。新しく来た人間にしか言えないこと、聞けないことは、想像以上に多いものです。
三つ目は、人脈を分断ではなく複線化として捉えることです。
転勤は前の土地の関係をリセットするものではありません。前任地の顧客や同僚が、次の土地のビジネスに思わぬ形でつながることは頻繁に起こります。担当した拠点が増えるほど、あなたの紹介ルートはむしろ太くなっていきます。
そのうえで、辞令を受けたら「なぜ自分が、なぜ今、なぜその場所なのか」を、上司に一度きちんと聞いてみてください。業務上の必要性を確認しておくことは、先ほどの法律の話の通り意味がありますし、その答えそのものが、着任後にどこへ力を注ぐべきかを教えてくれる情報になります。転勤の行き先は選べませんが、その転勤から何を持ち帰るかは、自分で選べます。
悲喜交々と向き合い、実践を重ねることが、成長のカギになります。学んだことを、明日からの一歩につなげていきましょう。
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