ロジカルシンキングはスキルではない、ルールでマナーです
ロジカルシンキングはスキルではない、ルールでマナーです
やたらと研修が多い会社に新卒で入ったため、少なくとも年に二回ぐらいは営業日をマルっと潰してスキル系、キャリア系、マネジメント系、各職種系、と幅広い研修機会が提供された。それとは別に任意の志望性の研修や勉強会も多くあったので、人材投資という意味ではかなり手厚い会社だったと思う。
だが残念ながら、研修というものに意味を見いだせなかった僕はあまり良い受講生ではなかった。
そんな僕が、長いサラリーマン生活で後世に渡って伝えていきたいと思っているのが、ロジカルシンキングとプロジェクトマネジメントの二つだった。
プロジェクトマネジメントについては、研修のその場で様々な自分の課題が言語化され、体系的に解決策や動き方をイメージ出来たという点において最高の学びだったのに対してロジカルシンキングは、ジワジワジワジワと後々重要性が日増しになっていった。
オフィスワークしている人にとって、PCの前で仕事をするということは
全て「情報」を扱っている。情報を処理する、情報を収集する、情報を翻訳する、情報を意志決定に利用する。
つまり情報のパイプラインにおいて統合されたり割愛されたりするものがあるものの上から下に前から後ろに、どうやってこの点在してる情報から意志決定に繋げていくのか、売上に繋げていくのかという点は重要なファクターであると思う。
ロジカルシンキングが扱っているテーマはまさに情報そのもので、情報を正しくどう伝えるかというための技法について学ぶ場なわけだけど、"ロジカルシンキングの終着点は「わかりやすい」です"という講師の言葉を何年たっても覚えていたりするし、その通りやんって何度も思ってきた。
ロジカルシンキングというテーマで検索すると、色々な人が色々な発信をしているが最大公約数でセオリー的にまとめられているものはずっと普遍的で
帰納法と演繹法
ピラミッドストラクチャーやロジックツリー
などのキーワードはだいたい触れられているのだけど、僕はmeceとレイヤーの話に殊更敏感である。
絶対音感を持っている人は不協和音にすごく敏感でストレスを感じるというのをテレビで見たことがあるけど、僕は"絶対論感"の節があり、ロジックが破綻・飛躍しているプレゼンを聞くと、それに気づいた瞬間にそればっかり気になって先が頭に入ってこない。
レイヤーが異なる内容が並列に扱われていたり、スコープに重複や抜けもれがあると、自分ならこう作るんだけどなという志向が別に引っ張られる。
これは極端な例としても、そういう話者の手で作られた資料というのはポイントポイントだけでなく全体がそもそもズレていることも多いのではないかというのは僕の思い込みだろうか。
先述の通り、「伝えたいことが伝わらない」「わかりにくい」というのは営業にとってだけでなくビジネスに携わる上で一撃で致命傷になりかねない危うさがある。
そういう意味で、ロジカルシンキングがベースに備わっているというのはもはやスキルではなくマナーやルールぐらいの共通知の認識を持つ必要があると思っている。
残念ながら、僕がそうだったようにロジカルシンキングの研修を受けてロジカルになるかというとそうではない。コミュニケーションの相手たる上司や先輩が、適切なフィードバックをし続ける以外はないと思っている。そう、案件化や受注に繋がるかどうかとは全く別の話。
AIが普及し「構造化」という言葉が圧倒的に市民権を得たなと感じているのだけど、ロジカルシンキングは基礎で、その上に構造化思考が乗っかっている印象。
基礎ガタガタで、構造化思考は絶対に乗っかってこない。基礎のロジカルシンキングはルール・マナー。構造化思考はスキルだと思っている。
事実と感想はわけてほしい
結論から言ってほしい
サマリで全体像を見せてほしい
構造を捉えて、因果で語ってほしい
組織長として営業メンバーにそう感じることが多いのであれば、組織全体に対するロジカルシンキングの実装に本気で考えた方がいいかもしれない。
実はこれについて、僕は一つの短期解を持ち合わせている自信がある。
特に営業組織については有効なのだけど、資料を作り際は.pptxの挿入タブにあるスマートアートからスライド作りをするということを徹底することである。
デフォルトのオブジェクトは結構使いにくくデザインとして秀逸ではないから、自作をしてもらってもいいのだけど、とにかくこの枠組みの中でしか表現しない。
アウトプットから縛ることで、思考性を逆輸入するスタイルはかなり短期的に効果が出たメンバーが多かった。
最初は死ぬほど窮屈なのだけど、野球における肘を体につけて素振りをするにせよ、ボクシングの脇を絞ってジャブを打つのも基礎は全部窮屈なのだ。
まず現れる変化でいうと
「表」を使いだす。縦と横に項目を並べて値を入れる。これで網羅性が担保される。
そのうち「ツリー」で因果構造に触れだしたり、4象限で全体のマッピングの意識をしたり。
利点は上司側にもあって、伝わりやすいのはもちろんのこと、何が抜けていて何がおかしいのかの指摘を間違いにくいという点である。
主観や経験に基づくフィードバックは受け手の感性に依存してしまうが、構造上の異変は解釈の違い・すれ違いがとっても少ない。つまり「誰が見てもおかしいよね」が伝わりやすい。
そのうち、伝えるにあたり足りないファクトが何なのかまで志向性が及びだすと、もうロジカルシンキングが標準搭載されたOSと言ってもいいのではないだろうか。
これまでも、ロジカルシンキング系の研修や勉強会というのはライフワークのようにやってきた。が、思考や習慣として定着するかどうかは残念ながら講師の腕に依存する割合はそう多くない所感。
何より、色々な研修テーマの中でロジカルシンキングは「おもしろいコンテンツ」に仕上げることがそこそこ難しいテーマだ。
ロジカルシンキングは、できると評価されるものではない。できないと、会話が成立しないだけだ。できる人がすごいのではなく、できないと仕事にならない。
武器ではない。装備でもない。服みたいなものだ。画面越しに顧客から「ちゃんと服着てますか?」などの確認は当然ない。
一生使っていくモノでビジネス経験の有無など全く関係ないのだから、特に若手を多く預かっている組織ほど早ければ早いほど費用対効果が高い。
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